新しい環境、新しい対人関係。そんな場で思わず自虐ネタで笑いを取ろうとしないでください。
それは後からじわじわと心を突き刺す刃となって返ってきます。
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自虐ネタは自分を苦しめる
4月になると、新しい対人関係の中に飛び込まなくてはならない人がたくさんいます。進学や就職で、これまでとは大きく異なる環境に身を置かなくてはならない状況は、心にも強いストレスを与えますが、期待や希望もたくさんありますね。
人と関係を築くのに、最初の印象はとても重要です。しかし、最初だけ取り繕っても後からボロが出ては意味がありませんよね。
けれど、人は『自分を良く見せたい』という思いから、つい普段とは違う行動を選んでしまい、だんだんとその関係に疲れていってしまいます。特に気をつけてほしいのは、『自分を貶めて笑いをとる』行為です。
自虐ネタとして周りを笑わせようとする人がいます。まるでお笑い芸人さんのように、冗談とわかって一線を引いて笑えるのならば良いのですが、日常生活で自虐ネタで笑いをとってしまうと、その後の対人関係で苦しむことになってしまいます。
それは、なぜか。
相手に対して、『この部分は笑っても良い』と学習させてしまうからです。
相手もまさか、本人が嫌がることを笑い話にしているとは思わないでしょう。「そうやって笑いを取るのが、この人の話術なんだろうな」と思われるだけで、自虐ネタを言うたびに、その人の心がどれだけ傷ついているか気付けません。
自分で言っても心は傷つくのに、周りから当たり前のように笑われ続けたら、心は傷だらけになってしまいます。
できることなら、最初に戻って関係をやり直したくなりますよね。
新しい対人関係、既存のコミュニティでも、自分の弱い部分を笑いのネタにして間を取り持とうとはしないでください。その方法は、その場かぎりであっても心は傷つくし、それ以後ずっと笑いのネタにされてしまいます。
自分の心を傷つけないために、穏やかな関係を人との間に築けるように、次の三つのポイントを意識して人と接していきましょう。
1.素のままの自分で接する
新しい環境では緊張のせいか、心機一転という思いのせいか、思わず気張ってしまうことがありますよね。
自分を良く見せたい、周りと理想的な関係を築きたいというシンプルな願望が、エネルギー全開で自分を着飾らせてしまいます。
けれど、良く見えるように飾り立てたままでいるのは疲れます。いつまでも、飾ったままでいることはできません。
だから、無理に自分を飾るのをやめましょう。
頑張りすぎたり相手の期待に完璧に応えようとしたりする姿勢を、やめましょう。素のままの自分で、自分らしい自分のままで人と接して、肩の力を抜いて話せる関係を一日ずつ築き上げていくのです。
もちろん、相手への礼儀やマナーは別の話です。だらしない自分でいるのではなく、理想の人間・完璧な人間で無理をしないという意味です。
素のあなたでいれば、そのあなたを好きになってくれる人が、あなたを見つけやすくなります。
2.無理に会話を広げない
自虐ネタを思わず口にしてしまうのは、どんなタイミングだと思いますか?
誰だって、自分を笑いものにして会話をしたいとは思っていないはずです。しかし、思わず自虐ネタを口にしてしまうのには、タイミングがあります。
それは、会話が途切れる瞬間です。
会話が途切れなく続いていないと、何か怖いことが起きると思っていませんか?
「面白くないヤツだと思われてしまうかも」
「会話さえ満足にできないと思われてしまうかも」
「沈黙は気まずい」
そんな思いがあると、会話が途切れた瞬間に脳は「何か話さないと!」とフル回転して、思わず自虐ネタを口にしてしまうのです。
会話が続かないことを恐れないでください。
誰とだって、常に会話をしているのではなく、沈黙する時間も必ずあるものです。まだ親しくない相手とだと、余計に沈黙が怖いと感じてしまいますが、それは相手も同じです。
誰かと一緒にいたら、楽しく会話をしないといけない。なんて思い込みは手放していいですよ。会話が楽しいかどうかは、相手の感情です。それをあなたが気にすることはありません。無理に会話を広げようとしなくても、話したいことがあれば、自然と言葉が出てきます。
3.心の安全地帯を作る
これが唯一。
これしかない。
最後に残ったたった一つ。
こう聞くと、自分が手にしているものを失うわけにはいかない、もう後がないと思いますよね。
対人関係では、よくこのような思い込みをしてしまうことがありますが、世界にどれだけの人がいると思いますか?目の前のたった一つのコミュニティ、たった一人の相手との関係がうまくいかなくても、他に心を許せる相手やコミュニティがあれば、執着することはありません。
例えば、家族、昔からの友達、恋人、配偶者など、あなたがこれまでに築き上げた信頼で結ばれた関係の人たちを思い浮かべてください。これから新しい関係を作っていかなくてはならない緊張感も、あなたを受け入れてくれる人たちがいつでもいる安心感が支えてくれます。
どこで失敗しても大丈夫です。失敗しても、そこでやり直すこともできるし、他に行ってもいいのです。
「ここしかない」と思い込むことが、危険な考えです。
何かあったら、何かなくても、心の安全地帯はいつでもあなたを受け入れてくれますよ。
自分らしくそのままで生きていい
自分らしく生きていますか?
無理をして自分を飾っていませんか?
素の自分から離れるほど、生き辛さは増していきます。本来の自分とは違う自分を演じることはできますが、それが毎日数時間も続くとなると、想像を超えるストレスです。
そのままでいいじゃないですか。
素のままの自分を好きになってもらった方が、嬉しいじゃないですか。
だから、もっと自分らしく生きましょう。
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