人が困っていれば、助けてあげたくなる気持ちになりますよね。困っているのが、親しい人であるなら尚更です。
けれど、困っている・悩んでいるからといって、必ずしもアドバイスが助けになるわけではないことを知っていますか?
目次
アドバイスする?見守る?
例えば、家族が憂鬱そうな顔をしていたら、何かあったのか聞いてみたくなりますよね。「どうしたの?」「機嫌悪いね」など。
けれど、これらの質問をよく考えてみてください。相手を思いやっての質問ではなく、自分がその原因ではないと確認したくて質問していませんか?
本当に心から心配して、声をかけている場合もありますが、「あなたのことを心配しています」と伝えて、相手はどう思うでしょうか。
「心配かけて申し訳ない」や「無関係なのに口を挟まないでほしい」などと思われてしまっていたら、伝える言葉を間違えてしまっていないでしょうか。
本当ならば、憂鬱そうな顔になっている原因を聞いて、一緒に解決できないか、手助けはできないかと提案したかったのではないでしょうか?
その思いを伝えたとしても、本人の問題は本人がどうにかするしかありません。たとえ家族であっても、できる事は限られていますよね。
1.無理やり話しかけない
無理やり話題をつくって話しかけたくなる気持ちの根底には、自分の中に「暗い雰囲気になりたくない」という気持ちが隠れています。
そんな気持ちで思い悩む人に話しかけても、楽しい会話なんてできそうにありませんよね。
思い悩んでいる時は、それをじっくりと向き合って考える時間が必要です。問題が大きいほどにかかる時間も増えていきます。
その間は、沈黙する時間が長くなり、窮屈に感じるかもしれません。
相手を真に思いやるならば、その重い沈黙を受け止めてあげてください。それが見守るという行為のひとつになります。
2.タイミングを見計らって気晴らしに誘う
悩んでいる時間が長いほど、状況がどう変化しているのか気になりますよね。ずっと憂鬱そうな顔をしているならば、余計に気になって仕方がありません。けれど、そんな時でも無理に話しかけてはいけません。気長に待ちましょう。
それでも何か月も思い悩まれていると、事務的な会話しかやり取りがなくなってしまいますよね。
相手が長く思い悩んでいる時は、タイミングを見計らって気晴らしに誘ってみてください。
誘う時は無理にではなく、「今から散歩に行くけど、一緒に行かない?」という風に、相手に選択権を与える聞き方で誘います。
今すぐに出かけなければならないような選択権のない誘い方をしてしまうと、相手にとっては重圧にしか感じられません。
3.笑顔で接する
悩んだ時に適切なアドバイスを与えてくれる人がいいかといえば、必ずしもそうとは限りません。考えに考えた末に、自分では答えが出せなくなって、ようやくその時に人にアドバイスを求めるもの。その前の考える段階では、人のアドバイスほど邪魔なものはありません。
「見守っているよ」と相手に伝えるには、笑顔でいつも通り接することです。接する機会も最小限が望ましいです。
傍で見守っている方がいい時もあれば、他の部屋にいって少し離れてみる方がいい時もあります。そうやって時間を空けて、ふと目が合った時に笑顔で接してもらえたら、相手の心は安らぐ場所があることを知るでしょう。
見守っていることを伝えるには、言葉では正しく伝えられない場合が多くあります。言葉は、時には印象を歪め、正確に気持ちを伝えてくれるわけではないからです。
だからこそ、笑顔で接してみてください。
笑顔で傍にいる。それが相手に「独りじゃない」と伝える最良の方法です。
見守るって難しいけれど大切
『見守る』という行為は、本当に難しいです。助けたい気持ちが前のめりになって、つい手や口を出してしまいたくなるし、その方が早く結果を出せるような気になるからです。
真に相手を思えばこそ、少しだけ見守ってみていてください。
その人は、自分の力の限界を超えようとしているのかもしれません。人の手を借りてしまえば、成長する機会を失ってしまいます。
もしかしたら、思い悩んでも無駄だとわかっていて、気持ちを整理する時間を欲しているのかもしれません。そうであれば、アドバイスと称した声かけこそ、邪魔になってしまいます。
相手を見て、観察して、気を向けて、大切にしましょう。
それが見守るという行為です。
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