何だか気分の浮き沈みが激しくなった。何だか常にイライラする。そんな違和感から始まり、気が付いた時には思考力の鈍化や悲しくもないのに涙が出るなどの症状が現れるようになります。
そんな『うつ症状』が出始めたら、何をしてはいけないと思いますか?
目次
憂鬱な気分は誰にでもあるけれど…?
毎日元気いっぱいでいられたら良いのですが、誰にでも気分が乗らない時はあるし、憂鬱になることもあります。気分には波があって当然です。それでも、元気である方が良いと無意識に自分を奮い立たせていませんか?その我慢が、努力が、自分をより苦しめてしまうかもしれません。
環境が変わると、自覚のない間にいつも以上のストレスに晒され、いつもなら頑張り切れるところで息切れを起こしてしまいます。そうしたことが何度も続くと、疲れを回復させるよりも疲れが溜まる量が多くなり、やがては回復もままなら無くなってしまいでしょう。
そんな時の気分は、とても憂鬱です。
初めはイライラしたり、何かに追われるような焦りを感じたりして落ち着きがなくなります。そのうちに、胸の奥やお腹の奥から、どっしりと何とも言えない重みを感じ、体を動かすのも頭を使うのも思うようにいかなくなります。
そうした小さな不調がいくつも現れ始めると、気が付いた時にはずっと進行した状態に陥っているでしょう。
何もしていないのに涙が流れたり、楽しかったことに対して何も感じられなくなったり。思考力が鈍って、考えをまとめることも困難になると、ようやく周りがおかしいと感じます。しかし、この段階でも自覚する人はあまり多くはりません。
病気には、階段を降りていくかのようにステップを踏んでいきます。その階段を降りている最中は、誰も病気への道を進んでいるとは思ってもいません。ただ、『頑張っている』だけなのです。
心のケアに意識を向けてみませんか?
ただがむしゃらに頑張るだけでは、自分の心を守れません。
適切なケア方法を知り、助けを求める先を知っておけば、いざという時にも困らないでしょう。
1.回復・復帰・元通りへの近道を探さない
まず、うつ症状をすぐに治そうと考えるのは、やめましょう。良い結果に繋がることはほぼありません。急げば急ぐほど、回復しないまま復帰してしまい、余計に心を傷つける結果を得てしまうだけです。
心の状態は目に見えないので、一時的に良くなっている時だけを見て「回復した!」と勘違いしてしまいやすいので気を付けましょう。
気分には波があるように、良い時と良くない時の浮き沈みを繰り返しています。
良い時は、あえて心を守ろうとしなくても、いつも通りに過ごせる元気があるように感じられますが、良くない時はそのいつも通りさえも辛く感じます。
大事なのは、辛い時をどうするかです。
辛い時が過ぎるのを待つか、辛くない場所へと移動するか、辛さを緩和する方法を実行するかなど、方法はたくさんあります。その中のどれを試してみても構いません。ただ、どの方法でも結果を急ぐほどに良くない方向へと突き進んでしまうことだけは忘れないでください。
心の回復に近道はありません。近道を通り抜けようとすると、その先にあるのが深い崖かもしれないのです。
2.空元気はやめる
「周りに心配をかけたくない」や「自分の状態を知られたくない」という思いから、いつも通りにしようと空元気を出していたら、それは危険です。すぐにやめましょう。
空元気とは、上辺だけが元気であるかのように振る舞うことです。心と体の状態とチグハグな空元気な振る舞いは、自分自身を傷つけていることに気が付いてください。
深い傷をいくつも負っているのに、「大丈夫。何ともない」と言うだけで、心にはその言葉による傷がまた一つ増えます。無理をしていつも通りに振る舞おうとすることの方が、症状の悪化を招くのです。
「いつも出来ていたから出来るはず」は、「いつも(の元気な状態で)出来ていたから(今も元気な状態であれば)出来るはず」です。
いつもと違う状態なのに、いつもと同じことが出来るわけがありません。
3.必要なだけ休養する
うつ症状が出始めたら、初期対応が重要になります。適切な初期対応ができれば、それ以上の症状の悪化を防ぐことにも繋がり、結果的に早期の回復が可能になるでしょう。
うつ症状の一番の治療は、休養です。
何よりも『休む』ことが大切なのです。
頑張りすぎて、周りの人の期待に応えようとしすぎて、自分のペースを大幅にオーバーして走り続けたから、脳が疲れ果ててしまうのがうつ症状です。
しかし、症状の軽いうちであれば、セルフケアでもだいぶ回復させることはできます。
まずは、心身が必要とするだけゆっくりと休養することを優先させましょう。
学校や仕事、家事などの作業はできるだけ中断することが良いですが、個々の症状や状況によって投薬治療が必要と判断されるケースもあります。
セルフケアだけでは無理そうだと少しでも感じたら、迷わず専門医を受診してみてください。自己診断よりも、より正確に適切に状態を把握し、今できる最善の治療方法を提示してもらえます。
4.活動時間を抑える
休養しているうちに、何かをやりたくなる気持ちが芽生えてくるでしょう。それはとても良い傾向です。
しかし、そこで無理をしてしまうと症状は逆戻りしてしまうので、加減に気を付けてくださいね。
うつ症状が治りつつあっても、長時間の活動は控えた方が良いです。疲労が回復し、症状が落ち着いてきた頃ほど気を付けましょう。元通りに元気になったように思えても、まだエネルギーが蓄積されるほどではないからです。
必要なだけ休養をとりながら、適切な栄養を摂取し、生活リズムが崩れないように気を付けていれば、自然と体は回復へと向かいます。
血流の悪化もうつ症状を悪化させる要因の一つなので、できる範囲でストレッチや運動をすると良いですよ。けれど、活動時間は抑えめにするのがコツです。無理はいけません。
適切な初期対応が心を守る
うつ症状が出始めた頃は、周りも驚くような症状が見られることはありません。いつもよりもイライラしたり、気分の浮き沈みが激しくなったり、違和感のような違いを感じたり。その小さな変化が、あなたの心が発するサインです。
小さな違和感も、「何かあっただろうか?」と振り返って考えてみれば、何かしらの原因が思い当たるかもしれません。常日頃から、自分自身を客観的に把握するように努めていれば、その小さな変化を見逃さずに、自分の心をケアすることができるでしょう。
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