劣等感は悪者じゃない。それは成長することのできる部分

劣等感を持ったことが無い人は、世界中のどこを探してもいないといわれています。どんな人でも、どこかは人よりも劣っているもの。
それでも、劣等感なんて持たない自分でありたいと願うのが人ですよね。

今回は、劣等感の考え方を変えるお話をご紹介します。

目次

 

劣等感とは?

色を混ぜた絵具の写真

劣等感って、自分が人よりも劣っていると感じることですが、そもそもこの劣等感はどうして感じるものか知っていますか?

劣等感は、自分が周囲に比べて出来ていないと感じるからこそ、その部分を伸ばしたい、成長させたいと強く望んでいる部分でもあるんです。つまり、成長できる部分だということ。

アドラー心理学でも、劣等感はそれ自体は悪いものではないとしています。劣っている、できていないと感じる部分なら、それをこれから伸ばしていける、できるようにしていけるんですから。今の時点では劣っているというだけのことと捉えています。

けれど、できれば劣等感は持ちたくないですよね。何でもできるわけじゃないと理解しているけれど、それでもできが悪いと自分で思ったり、人に思われるのは辛いですよね。
そんな風に捉えていると、実は劣等感を拗らせていってしまうんです。

 

1.劣等感を悪者にすると

「劣等感は悪いもの」とすると、その劣っている部分がダメな部分だと認識します。その状態が長引けば、その部分を恥ずかしく思ったり、さらに拗らせると「私はこれがあるから、できないんだ」という言い訳の材料にしてしまったり、もっと拗らせていくと「これさえ無ければ、私は本当はもっと有能なんだから、もっと大切に扱って」という構ってちゃんになってしまったりもします。

思い出してみると、あなたの周りにもそんな風に拗らせている人いませんか?
言い訳がましく劣等感を語る人、自分は有能なのに不遇な環境にいると逆転の優越感を感じている人、そして自分は特別不幸なんだと言い続けて、本当に不幸になっていく人など。

解消しないままに劣等感を持ち続けると、劣等感を拗らせて『痛い人』になってしまいます。そんな人になってしまえば、良好な対人関係なんて築いていくことはできませんよね。

 

2.劣等感は成長の種になる

最初にも書いたように、劣等感はあなたが成長させることのできる部分でもあります。もちろん簡単なことではないかもしれませんが、今がすでに低い位置にいるなら、ちょっとくらいの成長は簡単だと思いませんか?
劣等感を劣等感でなくさせる為に、まずはそれを改善する行動をとってみましょう。

例えば、人に話しかけるのが下手なら、心を許せる人に話しかける練習をしてみたり、話が上手な人の真似をしてみたり、話しかけやすいように人が気になる情報を調べてみたりすることで、話せるようになっていくかもしれません。

劣っているという部分を成長させるのは、最初のステップは簡単でも、その次からが途端に難しくなることが多いです。小さなハードルでも、劣等感がある部分では大きな障壁に見えます。それでも向き合って改善の一手を考えていきましょう。

 

3.視点を変えて解釈する

けれど、色々試してみてもどうしても成長させることができない部分。そういう部分もあります。そんな時は、解釈を変えて考えます。

人と上手く話せない=なぜ?=人の話ばかり聞いてしまう=聞き上手なのでは?=自分は話すよりも聞く方が得意なんだ。

こんな風に劣っているという部分の見方を変えるんです。そうすることで、その部分は劣等感を持つ対象ではなくなります。
自分で考えつかない場合は、人に考えてもらっても構いません。人からの指摘の方が、「そうなんだ」と腑に落ちることが多いです。

 

全てを含めて『あなた』になる

ピンクのバラの写真

良いと思える部分も、足りていないと思える部分も、全てを含めて『あなた』です。人より劣っているからといって、それが自信を失う理由にはなりません。逆に人よりも優れているからといって、人の上に立てるわけでもありません。
あなたは何が得意で何が不得意か、ただそれだけのことなんです。

賞罰教育や優劣を競ってしまう世界の中では、劣等感を持つことは生き辛さに繋がってしまいやすいです。『誰かよりも優れていないと不安』という気持ちが、人を蹴落としてでも自分の安寧を求めるようになってしまいかねません。そんな自分も、世界も楽しくありませんよね。

劣等感は、あなたが成長することのできる種のようなものです。たとえ成長させることができなくても、それはそれでいいんです。成長させようとしたこと、別の視点から解釈を変えて受け入れたこと、それが糧となって、あなたを成長させていきます。

劣等感を嫌わないでください。あなたがより良くあろうとする為の大切な感覚です。

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