「ほら、やっぱり」人を嫌う為のシミュレーションを止めよう

「こんな風に言われたら嫌だな」と考えたことが現実になった時、「ほら、やっぱり」と自分の想像が正しかったことを勝ち誇っていませんか?

その想像を繰り返していると、人がどんどん嫌いになっていってしまいます。

目次

 

「ほら、やっぱり」と言いたくなる心理

猫の写真

察する力が強い人や自信の無い人は、相手から何か言われる前に『言われた時のことを想像』していませんか?
シミュレーションと言えば確かにそうなのですが、それが悪い方向へ考えてしまい、とてもリアリティに溢れる想像だった場合、その想像は対人関係を悪化させる種になってしまいます。

人は先々のことを予測するのは、危険を回避したいからです。
進む先に危険があれば、回避したいし、万が一回避できないのだとしても受け身をとる覚悟ができていれば、ダメージを減らすことができますね。
これは、対人関係においても無意識の内に行っています。

「あの人はこういう性格だから、こんな事を言ってくるだろう」や「あの人は私のことを嫌っていそう」など、無意識に周囲の人がどんな人か、どんな対応をしてくるか、何を考えているかを予測します。
それが当たった時は「ほら、やっぱり」と、自分の考えが間違っていなかったことを確信し、悪口を言われた時には「やっぱり悪く言われてしまうんだ」と、あらかじめダメージを受ける準備をしています。

自分の予測が当たるのは楽しい上に、ダメージがくることがわかっていれば、身構える準備ができるのですから。つい、人の行動を先読みしてしまいたくなり、無意識の内にリアルなシミュレーションをする癖が身についている人も多いのではないでしょうか。

けれど、人の行動を予測しようとするあまり、それが悪い方へ向かってしまう場合もあります。
例えば、自分が小さなミスをしてしまった時、周りから「こんなことを言われるんじゃないかな?」と想像をします。

「あの人なら、意地悪く指摘してきそう。もしかしたら「あなたはそそっかしい性格だから、そんな風になるんだよ」とか言われるんだろうな」と、具体的に何を言われ、どんな表情をされるかを想像します。
それはじわじわとイメージを広げ、まるで目の前で言われているかのようなリアリティのあるシミュレーションをしてしまうのです。

具体的なイメージとなるほど、記憶に焼き付いてしまいます。現実には、まだ何も言われてもいないのに『相手から罵倒された』という偽りの現実がつくり出されてしまい、自分自身に大きなダメージを与えてしまいます。

そうして卑屈になった態度で相手の前に出た時に、相手からまさにシミュレーション通りの言動が見られると、心の中で「ほら、やっぱり」と自分の考えが正しかったことに喜びます。そして、相手を悪い人に仕立てて、自分のミスを記憶から消してしまうのです。

 

人の言動をシミュレーションしない

横断歩道を渡る人の写真

考えてみてください。
もし、素直な態度でミスを謝罪し、改善の方法を話し合おうという態度でいたら、相手のとる対応は違っていたかもしれません。
誰だって、自分のミスを棚に上げて言い訳をしようとする人には、厳しい言葉を投げかけたくなるものです。つまり、相手の態度を引き出したのは、自分自身だということになります。

「お前は性根の腐った人間だ」と言われ続けたら、その人はどうなると思いますか?
「そんなことはない。私は誠実な人間だ」と自分を信じて、誠実な言動をとることができれば素敵ですが、多くの人は「なら、言葉とおりの人間になってやる」と、嫌な人間になっていってしまうか、「私はみんなが言うようにダメな人間なんだ」と落ち込み、言葉通りの人間であるかのように振舞おうとしてしまいます。
これは意識しての行動である場合もありますが、言葉による刷り込みによって、無意識の行動としても現れる場合もあります。

自分以外の人の言葉は、その人の主観からくる感想で、あなたの性格や人生の決める指針ではありません。
それとわかっていても人の言葉に左右されてしまうのは、自分の中であらかじめリアルなシミュレーションをしてしまっているからです。

相手の出方を予測することで、対応を考える為のシミュレーションはしてもいいでしょう。けれど、相手の態度による自分へのダメージを減らす目的であったとしても、シミュレーションする内容によっては、結果的には大ダメージを受けていることに、気が付いているでしょうか。

「何を言われるか怖い」と、相手の行動をシミュレーションしてばかりいると、悪い想像に埋め尽くされてしまいます。
『人は自分が思うような人になる』という言葉があるように、悪い想像をしていれば、悪い方向へと自ら向かっていっているということになります。

先々をシミュレーションするよりも、その想像に向けた意識を、自分自身に向けてみませんか?

 

自分と人は別人格

水槽と人の写真

相手がどんな態度をとるか考えるよりも、自分が何を思い、それをどう相手に伝えるか、それを考える方が大切です。

どんなに理解し合っている相手でも、自分と人とは別人格であることを忘れてはいけません。
それは『人は人。自分は自分』と、きちんと線引きができている状態でいることです。

ほとんどの人が、「自分と人は違うなんて、わかりきっている」と思っていますが、実際には理解はしていても、行動には反映していません。
悪い想像をして、相手の行動を予測することは、相手の人格を無視していることに気が付いていますか?
相手は、あなたの予測通りに動くおもちゃではないと理解していますか?

わざわざ悪い想像で、未来を暗く考えても良い事は生まれません。
まずは色々想像する癖を止めてみましょう。そして、想像するなら良い事を想像してみましょう。

あなたが考える事は、人の事ではなく自分の事。それだけでいいのです。
誰かがあなたにどんな態度をとろうとも、それはその人の問題です。あなたが決められるのは、自分の行動だけ。相手の態度にどういう反応を返すかということだけです。

悪いシミュレーションで、攻撃に強くなろうとしなくていい。
そのシミュレーションは、逆にあなたを傷つけていることに気づいてください。

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