『特別』じゃないと幸せになれない？幸せは特別じゃない『普通』なこと

2021/09/22

人から認められ、憧れられる『特別な存在』になりたいと願ったことはありますか？
『特別な存在』じゃないと、幸せになれないと思っていませんか？

『特別』になりたい心理

多くの人が、他の誰かとは違う唯一絶対の特別な存在になりたいと願い、そうなることを夢見ています。
どうして人は、誰かとは違う『特別』な存在になりたいのだと思いますか？

特別になりたいと願うのは、「自分には人が認める価値がある」と思いたいからです。
人が求め、憧れる存在になることで、自分には価値があると認識することで安心や幸福を得ようとしています。

けれどそれは、周りからの承認が無ければ、自分の価値を認識できないでいるという悲しい心が隠れていますね。

誰かとは違う存在、特別な自分。そういう自分になりたい願望を持っている人の多くが、強い劣等感を持っています。
人と同じでは価値を認めてもらえないと思っていたり、自分には何の価値もないから人とは違うという特異性で価値を認めてもらいたいと思っていたり。特別な存在になりたいという願いの影には、周りに受け入れてほしい、自分を認めてほしいという本音があるのです。

周りから特別だと認めてもらえることで、自分の価値を認識し、周りから認め、受け入れられる存在になったことで、安心と幸福を感じる。
そんな人生は、とても不安定ですよ。

自分の価値や存在の承認を、周りの人に委ねてしまえば、意思決定の全てが人任せという他人軸の思考になってしまうということです。
他人軸の思考では、価値や存在を認めてくれる人の言いなりになってしまったり、人に本音を言えなくなってしまったり、自分を苦しめてしまう行動が増えていきます。たとえ人が認める特別な存在になったとしても、それでは幸せとはいえませんよね。

自分の価値は自分が認めるだけで十分

誰とも違う存在になりたいというなら、人は生まれた時から特別です。他の誰とも違う存在なのですから。
『特別』が人よりも秀でているという意味でなければならないなら、世界の半数以上の人達が無価値で幸せではないということになってしまいますが、そうではありませんよね。

誰かよりも良いものでありたい、世界中でただ一人の特別な存在になりたい。その欲求は持ってはいけないものではありません。叶えようと努力するには、人並みならぬ努力が必要になるというだけのことです。
けれど、唯一絶対の特別な存在になったからといって、人の価値は変わりません。

自分に価値があるかどうか。それを決められるのは、自分自身だけ。
自分の価値を決める時に、人からの承認は必要ありません。

もし、自分の価値を人から認めてもらわなければならないと思い込んでいると、だんだんと心に歪みが生じてきます。特別な存在にこだわるあまり、「とにかく人と違う存在になりたい」と突っ走ってしまう場合もあります。

人が価値を認めるほどの特別な存在になりたくても、そう簡単には特別な存在にはなれません。どんなに果てしない努力をしても特別になれないと、今度は極端に悪くなろうとするのです。極端な悪になって、ただ一人の特別な存在になろうとしてしまいます。

どうしてそう極端な行動に走ってしまうかというと、多くの人が『普通＝無能』と思い込んでいるから。
普通であること、人との差がほとんどないこと、それはつまり凡人であり、才能のない無能な証拠という思い込みがあり、「自分は無能（普通）じゃない。特別なんだ」と周囲に誇示したくて、極端な方に振り切れてしまえばいいと安易に考えてしまった結果、悪いことをして特別になろうとします。

小さな子供を見ていると、よくわかるシーンがあります。
親の気を引きたいけれど、親は他のことで手一杯で自分を見てくれません。
どうしたら親は自分を見てくれるのか？
大声を出す。物を叩く・壊す。叫ぶ。ひどい言葉を言うなどをすると、親は手を止めて、自分だけを見てくれました。

こうした思考は、大人になっても消えることはありません。無意識の内に、人はこのような行動をとっていることもあります。そのくらい、人は自分の価値の有無に敏感です。