いじめと聞くと子供のことを想像するかもしれませんが、大人になっても人をいじめようとする人が存在します。そんな大人のいじめの原因は、ほとんどの場合が『いじめる側が抱える問題』なのです。
いじめられる側を何とかしようとする前に、いじめる側を観察してみてください。
目次
大人のいじめはどうして起こされる?
子供の頃には、よくクラス内でいじめが行われている光景を見たことがある人も多いでしょう。子供はその発達の過程から、『自分と違うもの』に対して非常に敏感です。自分自身の安全を守る為、自分が所属するコミュニティの安全を守る為に、それを排除しようと行動を起こし、それがいじめとなる場合もあります。
大人が適切に介入することで、自分と他者との違いを知り、受け入れることを経験しながら、他者との適切な距離感を学んでいく機会のひとつとなるのですが、多くの場合でそれは実行されていません。なぜなら、大人の側にもいじめが横行しているからです。
残念なことに、大人になってもいじめを行う人がいます。それも本人は無自覚です。いじめをしているとは思っておらず、気晴らしや教育などと思っていることがあります。
どうして大人にもなって、人と適切に接することができないのだと思いますか?
いじめをする人の気持ちは、人それぞれあるでしょう。けれど、その理由は自分勝手なものです。
いじめをする人は、自分の中にある問題を解決できず、その鬱憤を晴らす為や損ねてしまった自尊心を取り戻す為などにいじめを利用しています。
例えば、「自分ならば必ず成功できる」と確信して何かに挑戦し、それが失敗してしまった時、自分の中にある自信が崩されます。周りで見ている人がいるなら、より強くより早く自尊心の回復を願うでしょう。
その自尊心の回復方法として選んだのが、いじめです。
味わいたくない挫折感を味わい、自分の力への信頼を失いはじめると、手っ取り早く自分の力というものを確認したくなります。それが、人を無理な要望に従わせるであったり、遜らせるであったりと様々ですが、いじめとして捉えられる行動であることに違いはありません。
いじめる対象は、自分より弱い人でなければなりません。なぜなら、自分の力がちゃんとあると、今度こそ確認しなければならないと思っているからです。
自分よりも強そうな人に挑んでは、また失敗してしまうかもしれない。それならば、自分より弱いだろう人を対象にしなければいけないのです。
いじめが起きる原因を考え見ると、ほとんどの場合が『いじめる側の持つ問題』です。
では、いじめられる側に原因はあるのでしょうか?
場合によってはあるでしょう。けれど、多くの場合が何の原因もなく、キッカケとなるものはとても些細なものです。
だからこそ、いじめる人の言い分には「気に入らなかった」という自己中心的な言葉が含まれていますね。
大人になると、周りにはそれとわからない陰湿ないじめが横行します。人に見られてはいけない事をしているという無自覚が、いじめ行為を隠そうとするのです。
けれど、いじめを止めようと考えられないのは、自分のことだけを最優先に考えてしまっているからですね。
そんな大人のいじめから、どうにかして逃れる術はあるのか、悩んでいる人は多いのではないでしょうか。
大人のいじめに効果的な三つの対応をご紹介します。
どうか勇気をもって行動してみてください。
1.離れよう
まずは基本的で簡単なことからやってみましょう。それは、距離をおくことです。
物理的に距離が開けば、いじめという行為から離れることができます。同じ職場にいるなら、部署移動や転職などで自分から離れていってみてください。
「非のない自分が行動するなんて、おかしい」と憤る気持ちが湧くでしょう。
けれど、いじめた人を動かそうとすると、時間ばかりがかかってしまう上に、いじめる人の逆恨みを買ってしまうかもしれません。
それよりも確実に距離をおく為に、自分から離れた方が何倍も楽で、結果は早く出ます。
2.反応しない
言葉によるいじめを受けているなら、反応しないことが一番の対処法になる場合もあります。
いじめる人が何を言ってきても、一秒だけ相手の目を無表情で見つめて、それ以上の反応は何もせずに去ってみてください。
最初の内こそ、いじめる人の行動がエスカレートしていくことが予想されますが、相手が起こすいじめ行動の全てに反応しなければ、いじめる人は得たい効果を得られずに困惑します。
そして、『自分の力を再確認したい』という欲求を満たせなくなり、いじめの対象を別に変えようと動き出すでしょう。
3.「それはいじめです」と宣言する
いじめる人にとって、いじめの対象者は『人』ではありません。情けない顔をして、涙を目に浮かべて、必死に下を向いて耐える姿。それを見たくていじめをしています。『反抗してこない』ことこそが、いじめる人にとって重要なポイントなのです。
だから、理性ある言葉で「その行為はいじめです」と相手に宣言してみてください。言いくるめようと反論してきても、「相手を不快にさせる行動の全てがいじめ」であることを宣言してください。
また、「どうしていじめるのか?」と理由を聞くのも効果的です。くだらない自分勝手な言い分が出たとしても、それを否定したり攻撃したりせず、穏やかな口調で「~は不快だから止めて」と、はっきりと宣言します。
そうすると、相手は自分勝手な言い訳しかなくなり、いずれ黙り込んでしまいます。
いじめをしてきた人にとって、いじめの対象者から黙らせられるという行為は、耐え難い苦痛です。自分の力を再確認するどころか、無力感を確認する羽目になるのですから。
攻撃し返そうとするのではなく、堂々と胸を張って穏やかな口調で宣言することが重要です。
周りに助けを求めて
自分でいじめ行為をやめさせるなら、上記の三つの対応を試してみてください。状況によっては、この対応だけでいじめ行為は収まる可能性が高いです。
けれど、反抗しなかった時期が長いと、反抗されたことに怒りを覚え、いじめが苛烈になってしまうことも予想されます。その時はすでに『誰かをいじめたら気が済む』という状況ではなく、『反抗してきた相手を屈服させたい』という欲求にすり替わってしまっていることから、上記の三つの対応ではうまく解決を望めないでしょう。
そんな時は、周りに助けを求めてください。
いじめは、いじめられる人にとって恥ずかしいという気持ちを抱かせますが、本当に恥ずかしいのは『大人になっても人をいじめなければ自尊心を保てない』人の方です。
いじめ行為を受けていることを信頼できる人に相談し、いじめを止めさせるように皆で対応していってください。決して、自分ひとりの力だけで解決しようと執着しないでください。
いじめは、いじめを受ける側の問題ではなく、いじめる側に問題が起きています。
だから、いじめを受けている側をどれだけフォローしようとも、解決には結びつきません。
いじめは、いじめをする人が抱える問題が原因。
いじめをする人ほど、『自分は未熟』と宣言している恥ずかしい行為。
いじめられた側が、泣き寝入りも、黙っていじめを受け続ける必要もありません。
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