心の病になった人に、どう接していいかわからないという声をよく聞きます。
今回は、心の病になった人に『かけてはいけない言葉』と接し方の三つの基本をご紹介します。
目次
心の病になった人に『かけてはいけない言葉』
あなたの周りに、うつ病などの心の病に罹った人はいますか?
いつも元気だったのに、元気がなくていつも落ち込んでいる姿を見ると、助けてあげたいという思いが強く湧いてくるでしょう。
しかし、多くのケースで周囲の人達からの言葉は、心の病の人を深く傷つけ、症状を悪化させてしまっています。
あなたは、心の病の人に『かけてはいけない言葉』を言っていませんか?
次の17の言葉は、心の病に罹っている人には言わないでほしい言葉をご紹介します。これらはそのたった一部であることを、覚えておいてください。
- 笑えるならすぐ治るよ
- あなたなら大丈夫
- 早く元気になって
- 早く治るように応援してる
- 頑張れ
- 気分転換しよう
- ストレス発散しよう
- 食事はきちんと食べよう
- 運動した方がいいよ
- いつになったら治りそう?
- そんな弱くてどうするの
- 気持ちの問題でしょ
- 周りに迷惑かけないで
- 私の方が大変だよ
- 「死にたい・消えたい」とか言うのダメだよ
- どうしてそうなった?
- 原因を探さないの?
安易な励ましや応援、気を紛らわせようとしたブラックジョーク、元気な時には出来ていた常識的な行動を求めたり、言動や気持ちを否定したり、病気の原因を追求したりする言葉は全て、『かけてはいけない言葉』です。
うつ病をはじめとする心の病の人は、見た目には平気そうであっても、心の中では常に焦りを抱えています。そんな相手に対して、いつも通りの冗談さえも受け流せずに傷ついてしまいます。
傷つけるつもりはない言葉だったとしても、それを考える余裕もないのが、心の病に罹っているということなのです。
では、心の病になった人にどう接したらいいのか。
基本の姿勢として三つをご紹介します。
あなたの大切な人の心を守るために、ぜひ覚えておいてください。
1.楽観的な感想を言わない
『かけてはいけない言葉』としても挙げましたが、励ましや応援、早期回復を願う気持ちを含め、楽観的な感想なども、心の病になった人に向けて言ってはいけません。
これらの言葉は、「早く治さなきゃ」と相手を焦らせ、適切な治療を阻害してしまう要因となります。
例えば、次のような言葉をかけないように気をつけましょう。
- 医者に行けばすぐに治るよ
- 今は元気そうだから大丈夫でしょう
- 〜な方法(民間療法)で良くなるって聞いたから試してみよう
- やればできるよ
- みんな頑張って治してるよ
相手を焦らせても、病気が早く治るわけではありません。逆に焦らせることで、適切な治療が進められず、一進一退の状態を引き伸ばしてしまうことの方が多いです。
そして、何よりも『頑張っているのに出来ない自分』に強い嫌悪感や無力感を得ている相手に、楽観的なことを言ってしまうと、「そんな簡単と言われることも出来ないなんて」とより自己否定を強め、症状を悪化させてしまうことがほとんどです。
2.決断をさせない
心の病になると、焦りや不安な気持ちばかりが膨らみ、適切な判断ができなくなるのが特徴です。そして、決断そのものを負担に感じている人もいます。
心の病になっている時に、何かしらの決断はさせないようにしましょう。
例えば、学校や仕事を辞めるかどうか、手続きやその先の暮らしはどうするのかなどを含め、現状から先のことを考えさせたり、手続きを本人にやらせたりするのは負担となります。
できる限り本人には何もさせず、治療を最優先できる環境を整えてあげることが大切です。
3.早く治そうとしない
外からは無気力そうに見えたり、いつもと同じ様子に見えたりする心の病ですが、心の中では「早く治さないと」や「周りに迷惑をかけてしまっている」などの様々な感情が渦巻いています。
そんな心の病の人に向けて、周りの人達が早く治そうとしている姿勢を見せてしまうと、『かけてはいけない言葉』をかけていると同じです。
安易な励ましや早期回復を応援しているなどの言葉がけをしてしまえば、ゆっくりと静養することができなくなります。
心の病の回復過程は、ゆっくりと回復と悪化の一進一退を波のように繰り返して、徐々に元気を取り戻していきます。治療のスタート時では、ほぼ寝たきりとなるケースは少なくありません。食事さえも最低限で、寝ている時間が大半ということもあります。
食事をきちんとしなければ治らない、生活リズムを整えないと治らないなど、勝手な思い込みで早く治そうとはしないでください。病になっている本人が一番辛い状態にあることを忘れないでください。
治療は、医師の指導に沿って行うのが一番の近道です。
心の状態と見た目の状態が一致していないことを覚えておこう
心の病になった人は、自分自身でも「どうにかして早く治らなきゃ」と常に焦燥感を抱えています。しかし、それが外から見てわからないケースは多々あり、周りにいる人との間で衝突が起きてしまいますよね。
一見、元気そうに見えたり、回復してきたように見えたりしても、心の中ではまだまだいつも通りに動けるわけではないことの方が多いです。
そんな時に気分転換と言って出歩いたり、仕事を再開してみたりすれば、もっとひどい状態へと逆戻りしてしまうでしょう。
目に見えないからこそ、目に見える状態が心の状態だと決めつけないように気をつけてください。
笑顔の仮面をかぶって頑張り続けたからこそ、心の中は傷だらけになって疲れ果てている状態が、心の病なのです。
早く治すのではなく、『元気に戻ってもらう』為に何ができるか。
正しい接し方を覚えておいていただけると、嬉しいです。
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