察しすぎると対等な関係を築けなくなる

人と接している時に、つい相手の気持ちや望んでいるだろうことを察して、先回りして行動していませんか?
それを続けていると、相手との関係が対等ではなくなってしまいます。

目次

 

『察して先回り』しすぎると対人関係が悪くなる

人形の写真

人と接している際、相手の気持ちや次に何をしたいんだろうと察することが上手な人がいます。そういう人は周りから「どうしてわかるの!」や「すごいね!」と称賛されることが多いのですが、だんだんとそのコミュニティ内での立場が下になっていきます。

また、特定の相手からは妙に怒りをぶつけられやすくなったり、相手が急に不機嫌を露わにしたりするなど、対人関係が悪くなっていきます。
どうしてだと思いますか?

それは、相手が子供がえりを起こしてしまうからです。

赤ちゃんは泣くことでしか親に気持ちを伝えることができません。少し成長して、言葉は話せるようになりますが、まだまだ自分の気持ちを的確に言語化することができません。
親はそんな子供の気持ちを察して、子供の気持ちを汲んだ行動を取ります。

親子の関係として、この行動は問題はありませんが、自分で意思疎通できる大人同士がこれをやってしまうと、対等な関係が築けなくなってしまうのです。

察することが得意な人は、面白いように相手の気持ちを感じ取り、相手が言語化する前に相手が望むものを差し出し、喜んでもらおうとします。
最初こそ、相手の気持ちをピッタリと当てることの楽しさや、相手が喜んでくれることに自分も喜びを感じますが、だんだんと相手は子供がえりしてしまうのです。

子供がえりした相手は、自分の要望や気持ちを察してくれる人の前だけで言語化することをやめてしまいます。「言わなくてもわかってくれるから」という甘えが、相手の行動を無意識に悪い方へと変えてしまうのです。

子供がえりした人の心理では、「この人は言わなくても自分の望みを何でも叶えてくれるはず」と無意識に思い込みます。普通に考えるとおかしな発想ではありますが、精神は小さな子供と同じになっているため、親に絶対の愛情を求める気持ちと同じように、相手に望みを叶えてもらえると疑わないのです。

相手の気持ち、望んだ行動を察し続けることで、生き過ぎればこのような事態を引き起こしてしまいます。
これでは対等な関係を築けるはずもありませんよね。

良好な対人関係とは、お互いにとって心地よい・幸せだと感じられる関係です。
そんな関係を築くには、お互いを尊重することが大切なのです。

では、子供がえりしてしまった相手に対して、これからどのように関係を修正していけばいいのか。急に突き放してしまうとお互いにとって衝撃が大きいので、徐々にほどよい距離感となるよう察する回数を減らし、その代わりに『言葉』で伝えるようにしていきます。

 

1.言葉で伝える

言わなくてもわかってくれる。この前提があることで、相手は自分の気持ちや望みを言語化することをやめてしまっています。
そこで、「どうしたいのか自分の言葉で伝えてほしい」ということを、相手に穏やかに伝えましょう。

何も喧嘩をしたいわけではないはずです。ただ、少しおかしくなってしまった関係を正したいだけなので、世間話をするくらいの気軽さで伝えてます。

 

2.反論されたら冷静に『他者』であることを伝える

今まで言わなくても察してもらえていたのに、急にそれが通用しなくなると、相手にとっては不愉快な状況になったと言えます。
そうなると、相手はもちろん反論してくるでしょう。

相手から「言わなきゃわからないのか?」と言われたら、「言葉にしてもらえないと他人同士なのだから、分かり合えない」と冷静に伝えましょう。

すぐには受け入れられないケースも多々あります。察して行動する期間が長いほど、相手も察してもらうことに慣れてしまっているからです。
相手の態度がすぐに変われなくても、諦めずに言葉にしてほしいことを伝え続けます。

場合によっては、これまで自分が察して先回りして行動しすぎたせいで、今の関係がおかしくなっていることを告げてもいいでしょう。相手からも、お互いの関係性を改めて客観視するキッカケを作り出せます。

 

3.できないことは「出来ない」と断る

相手が自分の気持ちやしてほしいことを、自分の言葉で伝えるようになっても、そこにはまだ子供がえりの甘えが残されています。
「じゃあ言えばやってくれるはず」と。

言われたからといって、何でもかんでも叶えなくてもいいです。相手から告げられたお願いが、自分に出来る内容でやっても良いと思うなら、やってあげるといいでしょう。
けれど、相手が自分でも出来ることを楽をするために何でもかんでもやってもらおうとしているようであれば、「自分でやって」と断ってもいいのです。

自分も相手も、ちゃんと自立して生きていける大人です。もちろん助けが必要な時もあるでしょう。けれど、赤ちゃんのように付きっきりでお世話をしなければいけない大人ではありませんよね。

 

自分も相手も一人の『人』

紫の花の写真

対人関係で大切なのは、自分も相手も自立した一人の『人』だということ忘れないことです。それは、接し方や距離感に顕著に現れます。

何でもしてあげるのが、相手のためになるわけではありません。
時には、相手のためを思って何もせずに見守ることが重要な場合もあります。
お互いが幸せになれる関係を、大切な人と築けるように。

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