『評価』をしないコミュニケーションで人と対等に付き合う

普段の何気ない行動ひとつで、対人関係には上下が作り出され、ギクシャクした関係を知らず知らずに築いていってしまうことがあります。
例えば、『褒める』ことはその代表的な行動です。

目次

 

『褒める=評価』上下関係になりやすいコミュニケーション

スマホを操作する人の写真

褒めることはいけないと、多くの心理学者が口を揃えて言いますが、その理由を知っていますか?

例えば、お手伝いをした子供に親が褒める光景は、よくある日常のワンシーンです。褒められると子供は喜び、自分の存在や力を肯定的に捉えます。もっと親に褒められたいと、さらに褒めてもらえる行動を自分から探し、積極的に行動するようになるでしょう。

一見すると良い影響のように見えますね。しかし、ここには大きな問題があります。
褒める行為には、二つの問題があるのです。

一つは、行動が評価されてしまうこと。
〜なら良い。〜なら悪い。という風に自分の行動が評価されてしまったらどう感じますか?ほとんどの人が、悪い評価がつけられるのが怖くなり、だんだんと消極的になっていくでしょう。人は、得をするよりも損をしない方を選ぶからです。

また、行動する原動力は褒められることですから、自分が想像した通りかそれ以上に褒められないと、行動を起こさなくなってしまいます。自発的な行動に見えて、実際には受動的なのです。

もう一つは、関係が上下関係になってしまうこと。
褒める行為は、上の立場の人が下の立場の人に行うものです。たとえ明確に立場に上下はないと言っていても、相手の行動を褒め続けることで、無意識に上下関係が刷り込まれていきます。
そうなると、対等ではなくなった関係はだんだんと関係性は悪化していくでしょう。ご褒美を与えないと何もしなくなってしまうようになれば、打算的な対人関係しか築けなくなってしまいます。

では、『褒める』以外のコミュニケーションとは何か?
それは『認める』です。

 

1.「私は〜」で伝える

褒めるのではなく、『認める』とはどうやるのか。それは言い方を「私は〜」で始まるアイメッセージに置き換えるだけです。

誰かを褒める時、「あなたの〜という行動が偉い」という風に褒めますよね。これでは、行動の良し悪しや程度を評価したり、上下関係が無意識に組み込まれたりして良くありません。
これを言い換えるには、「私」に置き換えてみましょう。

例えば、洗濯をしてくれた家族に「あなたが洗濯をしてくれたから、私の自由な時間が作れた。ありがとう」というように、相手が行動してくれたお陰で『私』の何かが改善した・助かったという気持ちを伝えます。

一見すると、褒めているのとあまり変わらないようにも見えますが、「私は〜」とアイメッセージに置き換えることで、相手の行動がどんな風に他者を助けることができたか、その行動を起こそうとした気持ちに感動・感謝しているなど、より具体的に気持ちを伝えることができるのです。

この些細な違いは、積み重なることで心に大きな影響を与えていきます。
ご褒美がなければ動かない大人になるか、他者を思いやって自発的に行動するか。

 

2.行動に対して認める・感謝する

褒めることに慣れていると、上下関係になりやすい相手には、つい褒めてしまいます。親子や上司と部下のような関係では、特に気を付けていないと言い慣れた言葉を無意識に選んでしまいやすいですよね。
そんな時も「私は〜」で始まるアイメッセージは確かに有効ですが、日頃から自分の気持ちを言語化することに慣れていない人は、アイメッセージに置き換えることも難しいでしょう。

そこで、褒めるのではなく『認める』ことを意識する方法をご紹介します。
それは、『相手の行動』を認めて感謝することです。

「〜ができて偉い」ではなく、「〜をしてくれて嬉しい」と言い換えようとすると、自然と相手の行動を『認める』思いを言語化できるでしょう。

 

人は『認められる』と自己肯定感が高まる

乾杯をする人の写真

「私は〜」で相手の行動を認めたり感謝したりすると、相手は「自分の存在が誰かの役に立っているんだ」と自己肯定感を高めていけます。
自己肯定感が高まれば、人のために自分から積極的に行動を起こすことが簡単になり、起こした行動によってどんどん素敵な世界が広がっていきますね。

こんな風に、他者を自分と同じ対等で大切な存在だと伝えられるコミュニケーションを意識すれば、対人関係上の辛さや苦しさを、減らしていけるでしょう。

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