マインドフルネスという言葉を知っていますか?多くの成功者が実践してきた物事に集中し、雑念に囚われない為の方法です。
よくマインドフルネス瞑想という瞑想法で知られていますが、専門用語が色々出てきて、何をやっているかわからずに、結局やらなくなってしまう人も多いはず。
そこで、難しい言葉は簡単な言葉に置き換えて、わかりやすくしてみました。今回は心理療法ACTの中で紹介されていたマインドフルネスのやり方をご紹介していきます。
目次
マインドフルネスとは?
マインドフルネスという言葉は最近になってから現れた表現で、マインドフルネスな瞑想や思考と集中への意識の向け方は、遠い昔から伝えられてきています。それは、仏教の教えのひとつにありました。それがアメリカで医療として活用され、現在に至ります。
元々は、仏教において真理を悟り、解脱に至る為の方法として活用されてきたものだとは、驚きですよね。仏教で重要とされた修行のひとつが、今や医療の現場も活用できるかもしれないと研究が続けられ、現在では抑うつ症状に効果をもたらせるかもしれない?という研究結果もあがってきていますが、まだまだ研究段階で、何がどこまで効果をもたらしているかは解明されていません。
けれど、人を活かし、生の苦しみから解放する術を探してきた仏教から進歩したマインドフルネスは、多くの人に効果を与えてきた実績があります。
ほんの少しだけ、試してもいいかな?と思いませんか?
心理療法ACTにおけるマインドフルネスのやり方
マインドフルネスのやり方は、割と簡単です。その中でもおすすめの心理療法ACTに掲載されているやり方をご紹介します。
とっても簡単に三行で説明すると、全体像はこんな風になります。
雑念から離れて
集中を止めようとする感情を客観的に受け入れて
目の前の物事にだけ集中して行動する
これだけ聞くと、わざわざマインドフルネスのやり方を実践しなくても、集中すればいいだけのように思えますが、意外と集中するのは難しい社会であることに、あなたはもう気が付いているはずです。
あなたの手にはスマホがありますか?パソコンは電源が入っていますか?
もしスマホを持ち、パソコンの電源が入っているなら、それだけであなたの集中はぶつ切りにされているはずです。
物事に集中していても、メールや電話の着信、新着ニュースやアプリゲームの新情報など、興味をそそられる様々なお知らせが届く度に、あなたの手と集中はそちらへ流れてしまうからです。
今ここに集中すること。それだけなのに意外と難しいことを、私達は体験しています。本当の意味での集中を体験すると、あなたはもっともっと能力が高いことを知ることになるでしょう。集中力を完全に発揮したあなたは、今までのあなたよりも高いパフォーマンスが出せることを体感してください。
心理療法ACTのマインドフルネスで、他の思考や感情に邪魔されることなく、自分が今していることに没頭できる状態に至りましょう。
1.思考から距離をとる
心理療法ACTでは、最初の段階を『脱フュージョン』と名付けていました。けれど、脱フュージョンだと伝わりにくいので、やっている事の意味で表現すると、『思考から距離をとる』です。
人は何かをしている時でも、ふとした思考が頭をよぎります。
「今日のご飯は何を食べようか」
「冷蔵庫に何が残っていたかな?」
「こんな事もできないなんて、私って無能かもしれない」など。
こんな風に思考が頭をよぎるたびに、集中は途切れてしまいます。集中が途切れるだけならまだしも、そのまま思考が進み、自己否定に突入してしまったら最悪の事態です。思考が感情と結びつくと、とても大きな影響があります。大抵の場合はよくない影響です。
私達が思考を止めることは困難です。「何も考えないようにしよう」という考えもまた思考のひとつだから。
そこで、『思考と距離をとる』ことを練習します。
思考が頭に浮かんでも、それに囚われなければいいのですが、それが意外と難しいんですよね。思考に囚われると、どんどん思考が思い浮かんできて、自己否定をはじめたり、イライラさせたりするようになります。
ここで気を付けてほしいのは、思考はただの言葉だということです。自分を責めるものでも、追い立てるものでもありません。そういう思考が自分の中にあったということを客観視する為に、『思考と距離をとる』練習が必要なんですね。
思考を客観的に見るには、いくつか方法があります。自分がやりやすいものを選んで試してください。
◆「私は~という思考を持っていることに気が付いている」と心の中でつぶやく。
自分の思考だけれど、そこに距離を持つことで思考にしがみつかれることを予防できます。
◆視覚的なイメージを利用する方法もあります。
ディスプレイを思い浮かべ、そこに思考を文字として表示させます。
フォントを変えたり、文字色を変えたり、単語ごとに区切って表示したりして、最後には元の表示に戻します。
こうして思考を視覚化したイメージで持つと、自分を責める言葉ではなく、ただの文字の羅列であると認識しやすくなります。
◆思考を歌にするという方法もあります。
ハッピーバースデイのメロディに合わせて、思い浮かべた思考を心の中で歌います。
歌い終わったら、同じ思考を他の歌のメロディに乗せて、心の中で歌います。
歌にすると思考がただの言葉だということに気が付きやすいです。ただ流れてくるだけの言葉に、囚われたり感情的になったりはしません。
◆両手を思考だと仮定した方法もあります。
思考が思い浮かんだ時、両手を目に近づけてください。その状態が、思考に囚われた状態です。
目の前の視界はどこまで狭くなったでしょうか。思考に囚われていると、視界が非常に悪い中で行動しなければならないことがよくわかりますね。
両手をゆっくりと目から離し、視界の情報量はどれだけ増えたかを確認してください。その状態で行動したら、あなたはどれだけ自由に動けるかを想像してください。
いつものように思考に囚われた時と、思考から距離をとる方法を行った時では、心にズシンと圧し掛かる重さの違いがあることに気が付くはずです。最初は本当に些細な差かもしれないけれど、思考との距離を素早くとれるようになると、思考から続く自己否定を止めることができます。この部分については、マインドフルネスにおける副産物ですね。
2.感情を受け入れる
心理療法ACTでは、この段階を『拡張』と名付けています。やっぱりわかりにくいので、わかりやすく言い換えると『感情を受け入れる』です。
感情は思考とともにやってくる場合もありますが、感情単体がじわりと心に広がろうとする場合も多いです。突然の不安や不快感に驚いた経験はありませんか?その時の状況に似た過去の出来事があると、自分で意識していないにも関わらず、感情だけが先にやってくることもあります。
そんな感情はどうすればいいのかわからず、感情に流されるままに不安になったり、不快感にイライラしたりしてしまいますよね。
古代インドの僧侶とその弟子のお話で、これを的確に例えたお話があります。
一杯の椀に入った水に、ひとつかみの塩を入れた水を弟子に飲ませると、弟子は「ひどい味がする」と言いました。
僧侶は弟子とともに湖まで行き、今度は湖にひとつかみの塩を入れ、弟子に湖の水を飲ませました。
すると僧侶は「今度は飲めるだろう?」と弟子に聞くと、弟子は頷きました。
僧侶は弟子に言います。「塩は、人生で避けがたい苦痛のようなものだ。どちらも塩の量は同じなのに、入れ物が小さいほど塩辛くなる。人生が痛みをもたらす時は、それを閉じ込めずに、なるべく広く解き放ってやることだ」
感情は心の奥に圧縮して押し込めて、閉じ込めようとするほどに膨張していきます。行き場がなくなった感情は、やがては大爆発するのを待っています。しかも、その間中もじわじわと苦痛を味わせながら。
そこで、『感情を受け入れる』練習で、感情に振り回されないようになりましょう。ここでのやり方は以下の一連の流れでひとつです。
- 感情に気が付いたら、感情に名前をつけます。
「これは~という感情だ」という風に。
感情を客観的に見ることで距離をとります。思考の時と同じです。 - 感情が存在していることを認めます。
「私は~という感情があることに気が付いた」
「~の感情が現れた」など。
「これは思っちゃいけない」や「こんな事を思うなんて私じゃない」、「私は~と思う」と否定や主観的な見方はしないでください。生み出された感情は、間違いなくあなたのものです。感情の否定は自己否定に繋がります。主観的な見方では、感情に囚われてしまいます。決して否定はせず、主観的にならず、感情が存在していることを認めてください。 - 感情が存在する場所を探します。
感情に心理的スペースをつくる為、感情が体のどこに存在しているかを観察してください。感情に手を当てようとすると、自然と位置が掴めます。 - 感情の為の居場所を広げます。
今は感情が新しく生み出され、感情の為にスペースがありません。そこで、深呼吸を繰り返し、息を吸うごとに感情の周りにスペースを広げるイメージを繰り返し行います。 - 五感を広げます。
感情に心理的スペースをつくり、安定したら、その感情に意識を向けたまま、五感をゆっくりと広げていきます。自分の体の感覚から徐々に外へと広げ、匂いや熱、音などを感じていきます。自分の外側にある世界とつなげることで、最後の『集中』へ至る段階になっていきます。
3.現在の物事に思考を集中させる
実はここまでで、マインドフルネスに行動する準備ができました。あなたはもうマインドフルネスに、目の前の物事に集中して行動することができるようになっています。
どういう事かというと、人が集中して行動することを邪魔しようとする内的要因は、思考と感情だということです。思考も感情も、過去の体験においての失敗例や見聞きした情報の失敗例を取り上げて、「その行動はちょっと待った方がいいんじゃない?」と、何事においても問いかけてくるんです。
この思考と感情をコントロールしようと、あらゆる心理学者、メンタルトレーナー、心理カウンセラーなどが試行錯誤してきましたが、その場限りならばどうにかなっても、長期的に見ると自信を失ったり、自己否定になってしまったりと、なかなか良い方法は見つけられずにいました。
マインドフルネスは、一見すると『ただ集中する為だけの方法』ですが、その根底にあるのは、思考と感情に囚われない自己をつくり上げることにあります。
この方法が完璧で完全で最良とはいいません。けれど、良い結果を生み出している実績があるのも確かです。
雑念という思考が現れたら、『思考から距離をとり』、物事に集中しましょう。
感情がやってきたら、『感情に居場所を与えて』、物事に集中しましょう。
マインドフルネスは、そうやって今やるべき必要な物事に集中させる為の方法のひとつです。
やってみると意外と簡単で継続が難しい?
マインドフルネスのやり方は、そんなに難解なものではありませんでしたね。けれど、実際にやってみると少々時間がかかってしましますよね。
最初から失敗なく最短で物事を進められる人はいません。物事に集中できていない現状から変化する為の方法です。慣れるまでには時間がかかるものだと割り切っていきましょう。
心理療法ACTのマインドフルネスは、慣れるともっと短い時間で集中状態に入ることができます。慣れるまで、それまで練習をし続けることが一番難しいですね。
けれど、継続はあなたの力になります。今日という一日の中で、思考から距離をとり、感情に居場所をつくり、目の前の物事に集中してみてください。きっと、あなたの中の何かが変わっていくはずです。
あなたの人生が、実り多きものでありますように。
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