人が生きるということは、生きていくための『悩み』と常に共にあり続けなくてはならないことです。しかし、心が押し潰されそうな『悩み』を少しでも減らさないと、生きていくのは辛くなるばかりですよね。
目次
『悩み』が生まれるところとは?
いくら考えても答えが見出せない。
どれだけ悩んでも一向に解決の糸口が掴めない。
一つでも抱えていると心に負担となる悩みは、いくつも同時に抱えてしまうものですよね。
その『悩み』は、一体どこから生まれると思いますか?
悩みの多くは、周りの人との関係だったり、仕事だったり、将来のことだったり、『自分の外側』で起きている何かが原因のように思えます。
しかし、悩みが生まれてくるところとは、『自分の内側』なのです。
ある禅の教えに、一切唯心造という言葉があります。
この言葉の意味は、全ては心が作り出している。自分から見えている世界は、そこにそれぞれが存在しているようで、それらの意味や価値は理屈は自分の心が作り出している。花を美しいと思うのは、自分が花を美しいものだと思っているからだという教えです。
誰だって、悩みなんて持ちたくはありませんよね。
けれど持っている。そして簡単に手放せないでいる。それは人の生存本能によるものです。
不安があるから、その不安を実現させないために行動しようと考え、実際に行動に移せます。
例えば、あと数ヶ月で季節は夏から冬になるとしたら、今から冬支度を整えておけば、凍える寒さから身を守れますね。温かい食べ物や家を温める道具を用意したり、安全に移動できる手段を考えて用意したり、動きやすい夏のうちに準備をしておけば、冬を安心して乗り越えられます。
これらの行動を引き起こしているのは、『悩み』です。
「冬になって食べるものが少なくなったら、どうしよう」
「冬は寒いから凍えてしまうかもしれない」
このような悩みが生まれるから、それをどうにかしようと行動できるようになるのです。もし、『悩み』が全くなくなったら、行動する意欲を失うのかもしれませんね。
けれど、『悩み』が大きくなり過ぎれば、ストレスになります。ストレスが積み重なれば、心を病んでしまう可能性があります。程度が過ぎてしまうと、その状況に耐えきれなくなって、死を選んでしまうこともあるでしょう。
そうならないよう、心と悩みと向き合ってみませんか?
向き合い方を変える、考え方を変えるなど、今の在り方から変化させたら、同じ環境にいても辛さや苦しさを和らげられる可能性が開けます。
1.思い込みを手放そう
悩みの詰まった心には、同じように『思い込み』という固定観念がたくさん詰まっていることが多いです。
あなたの心の中に、「〜でなければならない」というような思い込みはありませんか?
思い込みは厄介です。知らず知らずのうちに意識に刷り込まれ、それが当然であるかのように思い込まされているので、それを疑ったり変えようとしたりする意識が働きにくいのです。
「これは自分には合わない」と自覚しないと、それを手放す気にはなりませんよね。そういうことです。
思い込みのほとんどは、これまでの経験や周囲からの圧力によって作り出され、「反発しない方が楽だ」と自分の中に取り入れた常識・ルール・マナーなどです。
一度、無条件に「〜するものだ」と考えている常識やルールがあれば、それを疑ってみてください。別の側面から捉え直してみると、簡単におかしい点に気が付くかもしれません。
思い込みは、血液型による性格診断や仕事や人との関わり方、生き方などに散りばめられています。中でもよく目にして耳に聞く思い込みは、「人に迷惑をかけてはいけない」ではないでしょうか。
言葉通りに受け止めると、確かにその通りだと信じてしまいますよね。
けれど、人は完璧ではないし、独りきりで生きていけもしないので、誰かに関わって迷惑をかけて支えられてしか生きられません。そして、自分も同じように誰かに迷惑をかけられて支えています。
この思い込みを書き換えるならば、「人に迷惑をかけてしまうのだから、人の迷惑も許せる自分になろう」はいかがですか?
思い込みは、社会で生きる人間には必要かもしれません。決して不要にはならないけれど、自分の生き方に合わない思い込みは手放して生きた方が、楽に生きられますよ。
2.物事の捉え方を見直そう
自分がどんな面から物事を捉える癖があるか、自覚していますか?
物事の捉え方は、人によって様々です。それはこれまでの経験や価値観などに大きく影響されています。
思い込みと物事の捉え方は、影響し合っています。「〜は〜であるべき」という思い込みを信じていれば、それに従った視点からしか物事を捉えられません。別の視点があるとわかっても、それを受け入れるのは自分の価値観を覆されるようで、怖くて受け入れ拒否をしてしまいます。さらに、物事を捉える視野が狭いと、思い込みを強めてしまいます。
最初は、自分とは対極にある人の視点から考えてみたり、または「あの人ならどう思うか?」と身近な人の視点に立ってみたりして、自分とは別の視点から物事を捉え直してみましょう。
そうして何度か練習していると、だんだんとそれぞれの言い分には、その人の価値観に沿った理由があるとわかります。
別の視点から物事を捉えられれば、視野が狭くなって悩みに執着しすぎなくなるでしょう。そして、新たな思い込みが意識に刷り込まれようとしている際にもすぐに気付けるでしょう。
3.自分の心と向き合おう
最後は、自分を知ることです。人生で他の何をおいても、まずは『自分』のことをとことん知らなくてはなりません。
なぜなら、この人生を歩んでいるのは『自分』だからです。
例えば、感情を封じようとしても意味はありません。感情は心から絶えず湧き出し、いついかなる時でも絶えることがないからです。感じにくくすることはできますが、それは喜びや楽しさも感じにくくなってしまうため、解決法として適さないでしょう。
では、どうすれば良いか。
感情が湧き出す心と向き合うのです。あなた自身の好き嫌いや快不快を情報としてとことん集め、分析して、自分を知ることが悩みを減らすことに繋がります。そのために、素直な心の前に立ち塞がる思い込みや視点の偏りを変える必要がありました。
思い込みを手放し、物事には自分の見えている視点以外にも捉え方があると知った今なら、自分の素直な心と向き合いやすくなっているでしょう。
世間体や周りの目を気にせず、自分の心にある思いをすくい上げてみてください。
その思いには、「本当は〜したかった」というような思いがたくさん詰まっているはずです。それらを知りたい、これからに活かしていく方法を探しましょう。
悩みを減らして楽に生きよう
最初に禅の教えをご紹介しました。
一切唯心造。全ては自分の心が作り出しているという意味の言葉です。
だからこそ、自分で自分の心を知って、自分が生きやすい世界もあると知らなければ、悩みもそこから生まれる辛さや苦しさも減りません。あなたが自分以外の誰かから受けていると思う痛みも辛さも、自分の心が作り上げているのですから。
楽をしましょう。
楽に生きていきましょう。
心を穏やかに生きることで自分が救われるなら、そうあるように生き方を変えましょう。
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