あなたは、生きることそのものに辛さを感じることはありますか?
もし、苦しさや辛さを感じていたら、読んでみてほしい本があります。
四つの約束(ドン・ミゲル・ルイス著)
人生に行き詰っていたら、息苦しい社会に不満を抱いていたら、人間関係につまづいていたら。
自分の考え方ひとつで、それらの苦悩から離れられるようになりませんか?
目次
- 『四つの約束』が教えてくれること
- 1.正しい言葉を使うこととは?
- 2.なにごとも個人的に受け取らないこととは?
- 3.思い込みをしないこととは?
- 4.つねにベストを尽くすこととは?
- その生き辛さは思考の偏りかもしれない
『四つの約束』が教えてくれること
今回のお話は、ちょっとだけスピリチュアルな本のご紹介です。スピリチュアルは科学的ではないと敬遠される人もいますが、この本の内容はスピリチュアルだけれど科学的に実証されていることでもあるんです。
だからこそ、お伝えしたい内容があります。
『四つの約束』の元になったお話はメキシコ南部にいたトルテックという人達。その人達の教えが四つの約束です。彼らは私たちが生きているこの世界のことを『夢の中』だとしています。心地の良い夢ならば楽しいのですが、この夢は地獄にも似た息苦しい夢そのもの。
その地獄の夢を消し去って、新たな天国の夢を創るにはこれから解説していく四つの約束のもと生きること。そうすれば、驚くほどに人生は変容する、としています。
古い教えの中には、人生を豊かに楽に生きるヒントが隠されていることが多いですよね。この本にもそういった教えが書かれています。
この本が伝える四つの約束とは、次の4つです。
- 正しい言葉をつかうこと
- なにごとも個人的に受け取らないこと
- 思い込みをしないこと
- つねにベストを尽くすこと
言葉だけ聞けば、簡単なことに感じますね。
では、これらを行動に表すとしたら、簡単でしょうか?
この本が伝えたいことは本当にとても基礎的なことです。自分の心構え、周囲からの影響のある言葉や行動の受け取り方、周囲との関わり方、つまり人生の基礎そのもの。
今の現状に満足している人には読まなくてもいい本でしょう。けれど、もし現状に不安や不満、辛さや苦しさがあるなら、試しに読んでみませんか?
心に重石を抱えて生きることを止める。その為にどうしたらいいか、この本が教えてくれます。
1.正しい言葉を使うこととは?
正しい言葉とは何だと思いますか?
丁寧な言葉遣い?造語を使わない?悪口を言わない?
この本がいう『正しい言葉を使う』ということは、自分を偽ること、傷つけること、裁くこと、非難することをしないこと。そして、それを他人にも向けないことです。
この本の中に、言葉というものがどんなものであるかを書いた興味深い一文があります。
言葉は人間であるあなたにとって、もっとも強力な道具である。
『四つの約束』第二章 最初の約束―正しい言葉を使うことより
日本にも似たものがありますよね。『言霊』という言葉の力です。
昔から言葉には力があるとされています。確かにそうだと思ったことはありませんか?誰かから言われた言葉とおりの事が起こってしまったり、自分が口にした言葉がキッカケで引き起こされる何かがあったり。
言葉は私たちが最も簡単に使える武器であり、攻撃手段です。周囲の人だけではなく、自分自身にも向けられる言葉の力は、癒すことも傷つけることも簡単にできてしまい、その上この言葉の力はいとも簡単に口から滑り出てしまいます。
現在の人間社会は、悪い言葉のコミュニケーションが蔓延しています。
自分が受けた傷と同じものを誰かが受けたと知ると、気分が良くなったことはありませんか?「ほら、私の辛さがわかった?」や「辛いでしょう?私はもっと辛いんだ」などを思ったなら、悪い言葉の影響を受けている証拠です。
悪い言葉のコミュニケーションと知りながら、その輪から逃れるともっと恐ろしいことになると思い、その言葉に乗ってしまう。
なぜそうなってしまうのか?それは、苦しみの中にいる人は、自分ひとりが苦しむ状況に耐えられない。誰かひとりでも多く道連れがほしいという気持ちが強いからです。
苦しみが少しでも薄れる為には、どれほど残酷な行動をとっても許されるような気持ちになってしまいます。それは、苦しんでいる自分自身を守る為の行動の結果なのですが、こんな苦しみが連鎖したなら、この世界こそ地獄だといえますよね。
だから、悪い言葉は使わない。正しい言葉を使おうと教えてくれています。
2.なにごとも個人的に受け取らないこととは?
個人的に受け取らない?どういうことなのかわかりにくい約束ですよね。この約束が伝えたいことは、『周囲からの言葉や行動の全てが、あなたに向けられたものだと受け取らないように』という意味です。
電車や街中で、ふとどこからか容姿を蔑む言葉が聞こえてきた時、自分自身がひどく言われていると思ったことはありますか?この約束は、そういった周囲の言葉や行動を自分の事だと受け止めないようにと注意しています。
ただし、良い言葉や行動に対しても同じように個人的に受け取らないようにとしています。それはなぜでしょう?
悪い言葉や行動を向けられたなら、そんなもの気にしなければいいという教えかに見えますが、良い言葉や行動まで受け取らないようにと教えています。
それは、良い言葉や行動であっても、あなた自身を縛るものになってしまうからです。
どんなことも自分のこととして受け取ってはいけない。と言うのも、自分のこととして受け取ると、あなたはなんでもないことに苦しむように、自分を仕向けてしまうからである。
『四つの約束』第三章 第二の約束―なにごとも個人的に受け取らないことより
正しい言葉を使うことでもあったように、言葉の力は絶大です。周囲の人から投げかけられる言葉で、自分自身を理解しはじめてしまったら、誰かの言葉がなければ自分自身を見失ってしまいます。もし嘘をつかれてしまったら、あなたは無条件でその嘘を信じ込んでしまうということです。
あなたが信じるのは、自分で見定めた物事だけ。それは他の誰かに言われた事であってはならないんです。
3.思い込みをしないこととは?
思い込みは悪いものを連鎖させるキッカケになります。
他人の行動の意味を思い込み、誤解し、個人的なことと受け取り、正しくない言葉を使って周囲に吐き出してしまう。この負の連鎖は世界中に溢れていますよね。
例えば、作業着を着た誰かが道に落ちたゴミを拾っている姿を見かけたら、あなたはそれを担当の清掃員だと思い込みませんか?
その人は、自分が落とした物を拾っただけかもしれません。目に付いたゴミを拾った善意の人かもしれません。
次に同じ人を同じタイミングで見かけた時、もしゴミを拾っていなかったら。あなたは「仕事もまじめにやらない人」と思い込むのではないでしょうか?
人はなぜ思い込みをしてしまうのか知っていますか?
それは『はっきりさせるのが怖いから』なんです。自分に都合の悪い物事をはっきりさせず、「そう聞いたから」「前はそうだったから」という不確定なもので思い込み、安心を得ようとします。
それを表した一文があります。
人間の心が働く仕組みは、大変おもしろい。私たちは安心するために、なんでも正当化し、なんでも説明し、なんでも理解しようとする。(中略)
大事なことは、答えが正しいかどうかではない。どんな答えでも、それ自体によって、私たちを安心させることなのである。だから私たちは、思い込みをするのである。
『四つの約束』第四章 第三の約束―思いこみをしないことより
思い込みは、自分自身に都合が良い方へと事実を捻じ曲げ、ひと時の安心を得るためだけの行為だとされています。
考えてみてください。何かに思い込みがあった場合、その状況が良くなったことがあったでしょうか?違いますよね。何ひとつ状況は良くならず、問題を隠しただけ。いつか問題が掘り起こされた時には、問題はさらに大きく膨れ上がっている場合が多かったはずです。
そして、思い込みで大きくしてしまった本来の問題は、思い込みの力で捻じ曲がっていることも多いんです。
「こうだと聞いていた」から、「こう聞いたからこうなはず」になり、「こうでした」といつの間にか自分が直接見たかのような変化を遂げることもありますよね。特に都合の悪いものほど。
さらに、もうひとつ面白い一文があります。
私の愛がこの人を変えるだろう。しかし、それは本当ではない。あなたの愛は、誰も変えない。もし他の人が変わったのなら、それはその人がそう望んだからであって、あなたが変えることができるからではない。
『四つの約束』第四章 第三の約束―思いこみをしないことより
なかなか面白いと思いませんか?
あなたの世界はあなただけのもの。つまり、その人の世界はその人だけのものです。他の誰にも変えることはできないんです。
4.つねにベストを尽くすこととは?
最後の約束は、今までの3つの約束を本当に身に着ける為に、それらを行動し続けるようにと伝えています。
では、ベストとはどういう状態でしょうか?自分自身のベストがどこにあるかわかるでしょうか?健康な時、病気の時、気分が良い時、不機嫌な時。その時々でベストな状態が変化していると気が付いているでしょうか。
常に変化している自分自身のベスト。けれど、ベストを尽くさず手を抜けば、自分に不満を抱いて自己否定をし、後悔の念を抱くでしょう。かといってやりすぎれば、目標達成により長い時間がかかり、その時間は苦痛となり、体や心を壊すこともあるでしょう。
こう聞くと、今の自分のベストを尽くすことに難しく感じるかもしれません。思い悩むと、簡単なことさえも難しく感じてしまいます。ベストを尽くすことを難しく考えることはありません。『やれるだけをやる』実は、たったそれだけなんです。それがベストを尽くすということなんです。
例えば、普段働いている時にあなたはベストを尽くしていますか?
働いている間が苦痛だと感じているなら、ベストを尽くしてはいないでしょう。あなたは仕事が終わる時間をただ待ち、一週間が何事も無く過ぎるのをただ待ち、給料日に会社に居た時間分のお金が振り込まれるのをただ待っているだけです。これはベストを尽くしているとはいえません。
ベストを尽くして働いていると、仕事は苦痛ではなく楽しみになります。なぜなら、あなた自身が仕事をすることを望み、その仕事を達成させよう、更なる高みへ持ち上げようと行動するからです。会社から与えられるお金や休日をただ待っていたら、それは報償だとこの本ではいっています。報償とは、損害を償うという意味です。
人生の半分以上の時間を占める仕事が、損害だなんて。何のために働いているのか、ますますわからなくなってしまいますよね。
やりがいは雨のように降ってくることも、上司が一人一人に合った形で渡してくれることもありません。自分で見つけ、自分で手に入れなければ、いつまでも空虚な作業に押し潰されてしまう人生になってしまいます。
その生き辛さは思考の偏りかもしれない
四つの約束という本は、どう感じられましたか?本の内容は難しいことはひとつもありませんでした。ただ生きることを、考えることをシンプルにしていこうとする教えだけが書かれていました。
シンプルな人生の基礎力。それを実行すれば人生が変わると思いませんか?
自分の言葉で自分自身を縛り付けない、傷つけない。
周囲の言葉や行動を真に受けない。
あらゆる物事に対して、決めつけて行動しない。
できる事を全力でする。
言葉に書き出してみると、本当にシンプルですよね。
この四つの約束を実行し続けるのは、時に難しいかもしれません。けれど失敗しても、実行し続けたら人生は確かに変わっていくはずです。
生き辛さを、息苦しさを。楽にしていける思考に変わっていきましょう。
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