【第五回】人との関わりを良くする為に

人生における最大の問題、そして悩みの種である対人関係。
自分に都合のいいだけではなく、相手にとっても心地いい関係を築くには、何をどうすればいいのか迷うことが多いですよね。

対人関係の基礎となる五つをご紹介します。

目次

 

『信頼』という土台の上に成り立つ対人関係

寝転がる猫の写真

人との関わり合いは、人生における最大の悩みですよね。お互いに害にならず、心地よい距離感の関係が築けたら喜ばしいですが、そう簡単に築けるものでもありません。
対人関係は、人が頭を悩ませる一番の問題であると同時に、問題の全ての原因ともされています。

そんな対人関係の基本は、『信頼』です。

相手を信頼することができなければ、一人でいるのと変わりありません。
相手から信頼されなければ、距離を縮めることはできません。
信頼という基礎があって、初めて相手と対等に接することができますよね。

その『信頼』は、銀行の預金に例えられます。
相手の信頼を得られる行動をすることで、信頼という預金が増えていきますが、信頼を損ねる行動をとることで、信頼という預金が引き出されていきます。
信頼の預金残高がゼロになってしまえば、相手との関係は破綻してしまうというわけです。

あなたは、周りの人とうまく信頼関係を築けているでしょうか?
信頼を積み重ねるための行動を取れているでしょうか?

対人関係の基本を、今一度おさらいしてみてください。
身近で、親しい間柄の相手だからこそ、気を抜き過ぎてしまう時もありますよね。それが続けば、相手からの信頼は減っていってしまうばかりです。
大切にしたい人にこそ、信頼を積み重ねましょう。

 

1.相手を理解する

理解すること、受け入れること。それが対人関係の始まりです。まずは自分から相手を理解し、受け入れる姿勢を見せなければ、相手からの信頼は得られません。

相手の信頼を得る為に、あなたはどんな行動をとるでしょうか?忙しい中、時間を作って食事に行ったり、頻繁におしゃべりをしたり、重要な仕事を任せようとしたり。思いつく限りの相手への信頼を見せる行動をとるでしょう。
けれど、もしかしたら、その行動は相手にとって何の価値もない行動かもしれません。あなたが感じる信頼と相手が感じる信頼は、合致するとは限らないのです。

相手を理解する上で、最も大切なことがあります。
『相手を大切に思うのであれば、相手にとって大切なことを、あなたも大切に思う必要がある』という原則です。
この原則を無視して築ける信頼はありません。

自分がしてもらって嬉しいことを人にしてあげるという考えもありますが、これではまだ自分勝手な思い込みにすぎません。本当に相手を理解するなら、相手を観察し、相手が何に喜ぶかを知らなければなりません。それが『相手を理解する』ということです。

 

2.小さなことほど大切にする

人からされて嫌だったこと、嬉しかったことを思い浮かべると、ほんの些細な出来事ではありませんか?
小さなことほど大切にしなければ、信頼残高はどんどん減っていってしまいます。

人は、ふと自分に向けられた信頼や愛情を疑い、相手の気持ちを押し測ろうと考えてしまう時があります。本当に愛してくれているのか、信頼してくれているのかを、相手のさりげない行動から読み取ろうとします。

例えば、寒い日にマフラーをかけてくれたり、歩きづらい場所では手を貸してくれたりと、自分の行動から察して動いてくれるかどうか、相手の行動を観察するのです。
相手の行動はほんの些細なものです。けれど、それがまさに『信頼を得る小さな行動』なのです。

小さな心遣いや礼儀は、相手の心を動かし、大きな信頼を得る行動となります。行動としては、本当に些細なものです。本人にとっては苦でもないような小さなことですが、それが相手にとっては信頼を寄せるほどに嬉しいことになります。

どんな人でも、内面には傷つきやすく痛みが届きやすい部分を持っています。それは敏感に信頼や愛情を察知し、些細な行動によって喜んだり落ち込んだりしています。

 

3.約束を守る

約束を守ることは、信頼を得る行動にあたり、約束を破ることは、信頼を減らしてしまう行動にあたるのは、当然ですよね。
しかし、約束の大きさを勝手に測って、小さな口約束なら破っても仕方がないと思う時はありませんか?その小さな口約束も、同じ約束です。

どんな小さな約束であっても、相手にとっては大切な約束であることを忘れてはいけません。けれど、様々な状況から約束を守ることができなくなってしまう場合もありますよね。
会う約束をしていたのに、急な仕事が入ってしまうなど、避けようのない事態に直面し、約束を守るか破るかの二択を迫られます。

どうしても約束を守れないとなった時、あなたは相手になんと伝えていますか?
自分の状況だけを説明して、相手の了承もなしに約束を破れば、信頼は減っていくでしょう。約束を破るとは、それほど重いことなのです。

では、約束を守ることがどうしてもできない状況に直面した場合には、どうするべきか。
それは、正直に事情を説明し、言い訳や弁解なく話すことです。その上で、相手からの同意を得ます。一方的に「仕事だから、ごめん」では、相手の同意を得たとは言えません。嘘や誇張なく事情を説明し、「だから約束を守れない」と謝罪し、その上で相手に同意を得るところまで話をして、それでやっと信頼を減らす行動を最小限に抑えることができます。
とりあえずの代替え案や一方的な謝罪では、信頼はもっと減ってしまうでしょう。

 

4.誠実をさ示す

人と接する時、誠実ではない行動をとってはいけません。誠実ではない行動を見つけた相手に、人は信頼を寄せることはできないからです。
けれど、『誠実ではない行動』とは、具体的にはどんなものかイメージがつきづらいですよね。

それは例えば、その場にいない人の陰口を言ったり、人によって態度を変えたりという二面性です。二面性は、誠実ではない行動として捉えられます。そんな行動をしている人を見たら、いくら目の前にいる時の印象が良くても、「裏では何をしているかわからなくて怖い」という気持ちを抱かせてしまうだけです。

誠実であることとは、相手を騙したり、下心を持ったり、品位に合わない話題を口にしないことです。
誠実さは、誰といる時でも常に同じでいることで表されます。誰に対しても同じように誠実であろうとすれば、自然と周りの人達に誠実さを示すことができます。

 

5.間違いは誠意を持ってすぐに謝る

誰でも間違いをすることはありますが、その間違いを即座に認めて心から謝罪することができる人は、そんなに多くはありません。そして、その間違いを何度も繰り返さない人は、もっと少ないです。

自分の行動が間違ってしまったと気がついた時、すぐに相手に謝ることはできていますか?間違いを認め、心から謝罪できなければ、信頼は大きく減ってしまいます。

けれど、人は自分の間違いを認めることが難しいものです。すぐに自分の行動の意味を正当化する別の理由や原因を探し、それを当てはめて「自分は悪くないけれど、謝ります」という態度をとってしまいます。
これでは、相手はより不快になり、信頼は一気にゼロに近づくだけです。

間違いを認めて謝罪する時、余計な弁解や言い訳は必要ではありません。余分な言葉は、自分を正当化しようとするでしょう。それらの言葉を聞いて、心が慰められるのは自分自身であり、相手ではないのです。
謝罪は簡潔に、間違いを認めて謝ることに重点が置かれなければ意味はありません。

そして、同じ間違いを繰り返す行為もまた、信頼を減らします。
たとえ心からの謝罪があっても、同じ間違いを繰り返す人を誰も信頼しませんね。自分の行動は、自分の心の表れです。言葉でどれだけ飾り立てても、不誠実な行動ひとつで信頼は覆されます。

間違いは、すぐに認め、心から謝ること。
同じ間違いを繰り返さないこと。
それが、信頼を増やすために必要です。

 

与えるから与えられる

水面に水滴が落ちる写真

対人関係は、相手からも手を伸ばしてくれなければ築くことはできません。自分だけが手を伸ばしても、それを掴んでもらわなければ意味はありませんよね。
けれど、信頼を築きたいからといって、相手に貢ぐような行為は間違いです。

信頼の積み重ねは、相手を本当に理解する下地があって、はじめて意味を持ちます。「信頼を勝ち取ろう」と躍起になって、相手が喜ぶ行動をいくら重ねても、理解する下地がなければ、都合のいい人や迷惑な人というレッテルを貼られてしまうだけに終わってしまうでしょう。

また逆に、相手から信頼行動を引き出そうとするのもいけません。自分が行動するより先に、相手に行動してもらいたいという気持ちは、まさに下心。「自分自身という財産を、1mmでも犠牲にしたくない」という不誠実さの表れです。

信頼は、自分から相手に与えようとするからこそ、相手からも与えられます。
自分勝手ではいけないし、相手から先にと望むものでもありません。

「あなたと信頼を築き、良好な関係を築いていきたい」という気持ちを、誠実な態度で持って相手に伝えることが、対人関係を築く基礎なのです。
どちらが上か下かではなく、お互いが対等である関係こそ、良好な対人関係です。

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