エクスプレッシブ・ライティングで逆効果を得てしまう人の特徴

ストレス解消や感情・思考の整理に効果をもたらすエクスプレッシブ・ライティングは、一つやり方を間違えると逆効果を発揮してしまいます。
二つのポイントに気を付けて、心をスッキリさせましょう。

目次

感情を紙に書き出しても楽になれない原因とは?

ノートとペンの写真

オンラインカウンセリングの心ケアブログでも度々登場するセルフケア方法で、『紙に感情を書き出す』方法があります。これはエクスプレッシブ・ライティングと呼ばれ、自分の気持ちを言語化して表現することで、溜め込むと良くない気持ちを吐き出したり、モヤモヤを抱えるストレスを解消したりします。

人にはうまく話せそうにない時や、話せる人がいない時、日々のちょっとしたストレス軽減を目的として活用され、多くの人がこれによって自分の感情や思考を客観視できるようになっています。

心のセルフケアに効果的な方法ではありますが、「紙に書いても気持ちはスッキリしない」という声もお聞きします。それはなぜだと思いますか?

エクスプレッシブ・ライティングを適切に行えば、心に溜まった感情の整理やグチャグチャになった思考の整理に効果覿面ですが、やり方を間違えてしまうと心によりダメージを負ってしまいかねません。ここではよく間違ってしまう二つのやり方をご紹介します。

1.書いた内容・感情を否定しない

紙に書き出した感情や思考。起きた出来事と一緒に書き出すことが多いでしょう。書き出した内容を読み返してみて、ふとこんな風に考えていませんか?

  • 「性格悪いなぁ…」
  • 「自分が悪いんだから、仕方ない」
  • 「よくこんな自分勝手に考えられるものだ」
  • 「こんな自分なんて、嫌われて当然だ」

これらは、『自己否定』です。無意識に思ってしまったものだったとしても、自分に返ってくる言葉の刃です。この刃は心に深く突き刺さり、まるで世界中の誰もが自分自身のことをそう思っていると感じるほど、強い自己暗示にもなってしまうこともある言葉の刃です。

もし、これが誰かに相談した時の返答だったとしたら、この言葉の刃によって心には無数の傷がつけられたでしょう。それを自分自身にやってしまっているのです。

ストレス解消や気持ちの整理に書き出した内容には、否定も批判もしなくて大丈夫です。一切の評価をせず、ただ書き殴ってください。感情のままに吐き出して、スッキリするのが目的なのですから。

2.書くことを強制しない

現代はストレスが溜まりやすい環境であると言えるでしょう。毎日何気なく過ごしているだけで、何かしらの出来事に遭遇し、様々なストレスを受けています。
ストレスをこまめに発散させることは良い傾向ですが、「今日は書きたくないな…」と思っている日にまで、感情を書き出すのは逆効果です。

感情や思考を紙に書き出すエクスプレッシブ・ライティングは、自分の内面と向き合うことでもあります。まだ、心の中にある感情や出来事と向き合う余裕がない状態で書こうとしても、どう書いていいかわからず、苦しんでしまうでしょう。
また、書けないという出来事が自分を否定する材料にもなりかねないため、書くことを自分に強制してはいけません。

学習ではないので、毎日の積み重ねは必要ありません。書きたい時に書きたいだけ書くのが、エクスプレッシブ・ライティングの効果を引き出せます。

心を解放する一つの手段

クロッカスの写真

言葉は、人が持つコミュニケーションの一つです。人に気持ちや意見を伝達するだけではなく、言葉には心を癒し、自分を深く知り、考えや感情を整理することができます。

もし、感情を書き出そうとして「どう書いたらいいかわからない」と思ったら、それは言葉が足りないのかもしれません。
感情は、単語ひとつで表現できるほど浅くはありませんよね。複雑に絡み合っていたり、他の感情と結びついたりして、一言では言い表せないこともよくあるでしょう。そんな感情を書き出すことができないと、モヤモヤしてしまいますよね。

本を読んでみましょう。映画を見てみましょう。その中から、あなたの心にある気持ちを表現する言葉を増やし、言葉の力を伸ばしていきましょう。
それはいつか、自分を助ける力になってくれるはずです。

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