強い承認欲求は自己愛の歪みが原因?『出来る自分』だけしか認められない理由

周りが自分を敵視する、仲良くしようにも相手が冷たい態度をとるなど、一見すると相手に問題があるように思える対人関係の悩みが、実は自分自身の言動が原因になっているとしたら、どうしますか?

自己愛の歪みによる対人関係の悩み、自分自身への悪影響をご紹介します。

目次

 

『出来る自分』しか愛せないから対人関係が築けない

ガラス玉に映る海と空の写真

人と人との関係において、前提となるのはお互いが対等であると認識し合っている状態が大切です。どちらかが相手を下に見ていれば、そこに良好な関係を築くことはできませんよね。
意識して下に見ていなくても、無意識に自分を持ち上げようとするあまり、相手を下に追いやろうとしていませんか?

自分では何もしていないつもりでも、相手が感じ取れるほどの不愉快な言動をとってしまう、相手を不快どころか、マウンティングするかのような上下関係を押し付けてしまう、その原因はなんだと思いますか?

それは、自己愛の歪みから起きています。

自己愛とは、自分を愛することを意味しますが、あなたは正しく自分を愛せていますか?
多くの人が、自分を正しく愛せない・歪んだ愛を向けてしまったが故に、対人関係に問題を起こしています。

自分で自分をうまく愛せない。だから、人から愛して満たしてもらいたい。
人に愛してもらう・認めてもらう為に、褒められる自分でいなければならない。
褒められる(満たされる)為には、人より優れた特別な存在にならないといけない。
だから、自分以外の人を蹴落とさないといけない。

こんな飛躍した思考でも正しいと思い込み、行き過ぎた行動をとる場合があります。中には自分自身で「ちょっとおかしいかもしれない?」と感じる人もいますが、行動を抑止するには至りません。
なぜなら、それを止めてしまったら、自分を愛してくれるものが無くなってしまうから。

それはとてつもない恐怖です。
誰にも愛されない、必要とされない。短絡的に考えつく答えは「自分には価値がない」

今回は、歪んだ自己愛の特長と、引き起こされる対人関係、自分自身への問題をご紹介します。
自分に当てはまる部分があるか、日頃の行動や思考と照らし合わせながら読み進めてください。

 

1.特長:能力の過大評価と業績の誇張

自分への愛情を歪めてしまった原因は、遺伝子的な要因があるのではないかと研究が続けられていますが、現在のところは幼少期の親子関係が深く影響していると考えられています。
その原因は条件付けの愛情にあります。

静かな場所で騒がないでいられた、他の子よりも先に文字が書けるようになった、テストの結果が良かったなどの場合にのみ、親から褒められたり認められたりした経験を持つ人の中には、それによって「愛情は条件を達成しなければ得られないもの」と考えに至ります。

その結果、『出来る自分』でなければ生きる価値はないと思い込み、『ダメな部分』を決して受け入れられなくなります。

『出来るの自分』だけを見ていることもあって、自分自信が特別な存在と思う節があり、それを人にも認めさせようと躍起になります。
例えば、過去の業績に対する自慢を繰り返したり、自分の能力を過大評価したり、その代わりに人の価値を下げ、貶めるなどの行為もセットで行われる場合があります。

 

2.対人関係への影響

ただ自慢話が長く、自分に過剰な自信があるだけならば、対人関係上で大きな問題になりそうではないと思えますよね。
けれど、実際の問題はもっと根深く、対人関係に大きな影響を与えます。それも悪い方に。

自己愛が歪んでしまっている人は、人から称賛され認められ、良い評価をもらうのに必死です。必死な姿は決して見せませんが、それが自分自身の価値の全てなので、まさに命をかけて行動します。

その弊害は、悪気なく人を貶める発言をしたり、承認以外の反応を強く拒絶したりする行動に現れます。
例えば、間違いがあっても決して認められず謝罪もできない、自分の方が凄いと言うために相手を貶す発言をしたり、自分が特別な存在だから自分自身が思う特別な存在の人とだけ関わろうとしたりなど。

自分の周りにいる人は全て、「自分を称賛すべき」と思っているので、求める称賛が得られないと途端に不機嫌になり、それを隠すどころか見せつけてきます。
周りには気分屋、自己中心的などと思われて、腫れ物扱いされる場合が多く、適切な距離感・態度で人と関わるのが難しいです。

本人は至って常識的なつもりなので、相手に問題があるとしか考えられない為、問題解決の行動を起こすことができません。

 

3.自分自身への影響

では、自分自身へはどのような影響があるでしょうか?

自分自身を『特別な存在』と思うあまり、不出来な部分を認められず、自分に厳しいルールを設けてしまい、結果が出せないと「もう死ぬしかない」と思うほど落ち込んでしまう場合があります。
また、称賛される結果を出すために無理をして心身を壊したり、相手の行動が原因で対人関係がうまくいかないと悩んだりなど。

こうした付きない悩みから、うつ病を発症したり、物や人に強く依存したり、何かと問題を抱えやすく、安定したメンタルを保つことができません。

 

ダメな自分も認めてみると楽になる

夜景のモンタージュ

歪んだ自己愛を治すには、時間をかけて『自分』を認めて受け入れていくことです。
けれど、本当に時間がかかります。数ヶ月、数年、もっとかかるかもしれません。それほど『自分』と向き合うのは怖くて辛くて苦しいです。

けれど、一歩だけ踏み出してみませんか?
『自分』を認められたら、受け入れられたら、今よりも楽に生きられるかもしれないし、穏やかな関係を人との間に築くことができるかもしれません。

まずは、出来ない自分、頑張れない自分も存在していることを認めるところから始めてください。
何か出来なかった時や失敗した時、「こんな時もあるさ」と言ってみましょう。

いきなりダメな自分も受け入れるのは難しいですよね。今まで受け入れずにどうにか生きてこられたのに、いきなり見ないフリをしていた部分に目を向けるのは、とても辛くて苦しいです。
だから、少しずつ「そんな自分もいるのかな?」くらいから始めていきましょう。

ほんの少しだけ、隠れていた『自分』と対面する時間を作ってあげてください。
ほんの少しだけ、『自分』の頑張りを認めてあげてください。
その一歩が、正しく自分を愛することに繋がっていきます。

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