無理なポジティブは心を病ませる。辛い・悲しいを乗り越える方法

辛い出来事、悲しい出来事。心に衝撃を与える何かがあった時、「すぐにでも気持ちを切り替えなきゃ」と焦っていませんか?
単に気持ちを切り替えようと無理をすれば、感情が心の奥に隠されてしまい、余計に苦しさを味わってしまうかもしれません。

無理なポジティブ切り替えはやめて、本当に心を回復させる方法で悲しみや辛さを乗り越えましょう。

目次

 

スイッチを押すような気持ちの切り替えは危険

ノートパソコンの写真

辛い出来事や悲しい出来事があると、周りから「早く元気になって」と応援されますよね。
けれど、受け止めきれない悲しみや辛さを感じているからこそ、すぐに元通りとはいきません。真面目な人ほど「周りに心配をかけちゃいけない」と奮起し、空元気でとりあえず周りを安心させようと無理をしてしまいます。

それが、どれだけ心に負担をかけるか知っていますか?

昨日、悲しい出来事があったとして、一晩寝たら元気になるような人はほとんどいません。もし一晩で本当に元気になるのだとしたら、そこまで大きな悲しみではなかった場合が考えられます。
多くの場合、空元気で周りを安心させつつ、自分自身にも「大丈夫」という嘘を押し付け、受け止めきれない感情を抑圧しているだけなのです。

その状態が続けば、心への負担は計り知れません。
抑圧された感情は、消化されているわけではなく、降り積もって心の奥に隠されているだけです。何かの刺激が与えられたら、感情を爆発させたりパニックを起こしたりする可能性があります。
スイッチを押したように、辛さや悲しさを切り替えようとするのは危険なので、やめましょう。

辛い出来事が起きると、心を回復させるには次のような心の動きが現れます。

  1. 衝撃
    辛い出来事が起きて食欲がなくなる、眠れない、涙が止まらないなどの症状が現れる。
  2. 葛藤
    起きた出来事に反発し、受け入れられずに自分や周りを責めながらも、徐々に事実と気持ちに向き合う。
  3. 承認
    辛い出来事や気持ちを誰かに話すなど、外に吐き出せるようになる。
  4. 適応
    出来事と気持ちを受け止め、本来の自分らしさを取り戻すようになる。

この4ステップの間で無理をしてポジティブになろうとすると、心を守ろうとする働きによって感情を抑圧し、消化できないまま溜め込んでしまう場合があります。
1や2のステップで起きやすく、周りから見ると「元気になった?」と感じる為、思いもせず相手に無理をさせてしまうことも。

気持ちを切り替えるならば、正しい手順で心を回復させていくことを覚えましょう。
注意したい2つのポイントと、心を回復させる方法をご紹介します。

 

1.気持ちを受け入れる時間を作る

前項の4つのステップで、3と4の時期に注意してほしいことは、『ゆっくりと気持ちを受け入れていく』ことを心がけてください。

誰かが一晩で元気になったから、あなたも一晩で元気にならなければいけないと考えていませんか?
そんな風に人と比べたり、早く元気にならなきゃと無理をしようとしたりしないでください。

気持ちは、人によって感じ方が違うものです。深い悲しみや辛さを感じている人は、感受性が豊かで人よりも些細なことで気持ちが揺れ動かされると仮定すれば、その悲しみや辛さから回復するには相応の時間が必要だとわかりますよね。

気持ちは、今日明日もしくは1時間以内など制限時間の中でどうにかしなければならないものではありません。
深い悲しみや辛さの中にいるならば、まずはその気持ちを消化し、向き合い、ゆっくりと受け入れていく時間を作ってください。

うまく出来ない時があっても良いのです。何度も行ったり来たりを繰り返して、少しずつ穏やかになっていく水面のようにゆっくりと気持ちを消化していきましょう。

 

2.上辺だけのポジティブを演じない

気持ちを切り替えようと考えた時に、決してやってはいけないのが『上辺だけのポジティブを演じない』ことです。

上辺だけとは空元気とも言い換えられますね。本当は辛いし泣きたいし、悲しみの中でもがいているのに、周りに心配をかけないように、演じている内に本当に元気になるはずなど、無理をしてポジティブでいようとすると、気持ちは全く消化できなくなります。

消化されない気持ちは心の奥の方へと抑えつけられ、我慢しすぎたことで体に影響を及ぼし、不眠や食欲不振、痺れなどの症状が現れる場合があります。

上辺だけでは何の解決にも、回復にもなりません。
心を回復させるには、起きた出来事とその感情に向き合って、受け止める必要があることを忘れないでください。

 

3.心の回復方法

傷ついた心を回復させるには、ゆっくりと時間をかけることが何よりも大切です。急がず慌てず、自分の心にある感情と向き合い、受け止められるようになっていきましょう。
今すぐには「出来ない」と思うかもしれませんが、時間が解決するという言葉にもあるように、ゆっくりと時間をかけていけば、いつかは出来なかったことも出来るようになります。

辛い、悲しい出来事が起きた後、心を回復させるステップに到達した時に、何をすればいいのか。
代表的な4つの方法をご紹介します。

  1. 思う存分、泣く
  2. 適度に誰かと一緒にいる
  3. 自分のタイミングで吐き出す
  4. 思考を停止させる

『泣く』行為は、ストレスを軽減する効果があり、辛いや悲しい感情を持っている時に有効な手段です。
一人でもいいし、誰かに傍にいてもらっても構いません。あなたが遠慮なく泣ける環境で涙が枯れるまで泣いてください。思う存分泣けることが、一番の薬になります。
また、一度だけなど回数に制限をかけず、泣きたくなったら何度でも泣いてください。

一人になりたい人でも、適度に『誰かと一緒にいる』時間を持ちましょう。
深く物事を考えたり、気持ちを消化したい時などは一人になるのはおすすめですが、いつまでも一人でいると、孤独を感じ、余計に辛さを増してしまう場合があります。
自分を大切に思ってくれる人達と、適度に顔を合わせて、お茶をしたり食事をしたり、何気ない会話をしてみてください。「一人じゃないな」と感じられる居場所があると実感すると、元気が湧きやすくなります。

辛い出来事や悲しい出来事、またその時の感情などは、自分が話したいタイミングで信頼のおける人に話しましょう。根掘り葉掘り質問してくる人ではいけません。
あなたのタイミングで話し、ただ黙って聴いてくれる人に吐き出すことで、事実や感情を整理するのに効果があります。

『思考の停止』は、長期間にわたって辛さや悲しみの中にいる時に、心の負担を軽減する目的で行います。
ネガティブな出来事は何度も思い返してしまうことが多く、思い返す度にその時の感情までも湧き上がり、いつまでも辛い中に置き去り状態となってしまいます。
負のスパイラルを断ち切り、一時的でも心の負担を軽減することで、回復させやすくします。

 

『無理はしない』が鉄則

山と池の写真

周りに迷惑をかけるから、情けない自分でいたくないからなどの理由をつけて、無理にポジティブになろうとする空元気な状態は、逆に心身に悪影響を与え続けるので、結果的に心の病を発症する原因となってしまう場合があります。

無理はしてはいけません。
周りの人を大切に思うなら、自分を大切に思うなら、無理して気持ちを切り替えようとはしないでください。

あなたを大切に思う人達は、「早く元気になってほしい」と口々に言うかもしれません。しかしそれは、無理にでも元気な演技をしろと言っているのではなく、ただ「元気になってほしい」と思う願いゆえ。

無理に期待に応えなくていい。
無理してポジティブにならなくていい。
あなたの中にある感情をゆっくりと消化し、事実と感情と向き合っていきましょう。
時間をかけていけば、受け入れられなかった事実を認められるようになるし、感情に整理をつけられるようになります。

あなたの心を第一に考えましょう。

WEBお問い合わせはこちら WEBお問い合わせはこちら
\この記事がよかったらシェアをお願いします!/

SNSやってます!

ほぼ毎日更新のSNSアカウントです。心を軽くする情報などをお届けしていますので、よろしければフォローをお願いします!