大切な人が悩んでいたら、その悩みを聞いて解決の一助になれたら。そう思うのは自然ですよね。けれど、その思いは相手に正しく伝わらないせいか、素直にアドバイスを聞き入れてくれない時が多々あります。
それはなぜ起きてしまうのか、知っていますか?
目次
アドバイスを受け入れてもらえない?
大切な人が落ち込んでいたり、悩んでいたりしたら、すぐにでも話を聞いて助けられることがあれば何でもしたくなりますよね。悩み相談までは順調なのに、なぜかその先へ進もうとすると相手から拒否や拒絶の反応が返ってくる、という経験はありませんか?
相手の悩みが自分にも体験のあることであればあるほど、人は自分がやってみた解決策を、相手の状況に照らし合わせて丁寧に説明します。説明が進むにつれて、相手の顔色は悪くなり、話半分といった風の態度で聞いているなんてこと、よくあります。
その時の相手の気持ちをひと言でいうと、「余計なお世話」です。
せっかくのアドバイスを無碍にするような相手の態度に怒りを感じる前に、なぜこうなってしまったのかを振り返ってみませんか?なぜなら、相手にそんな顔をさせたのは、あなたが原因かもしれないからです。
対応する順番が違う
悩んでいる人にとって、解決策は喜ばれるものと思いがちですが、同じ解決策で解決できるものではないし、全部の悩みが早急な解決策を求めているわけではないのです。
自分が悩みに悩んで辛い時。心を許せる相手には、まず何をしてほしいと思いますか?
建設的な意見を言ってほしい?
合理的な正論を言ってほしい?
いえ。ただただ話を聴いてほしい。それだけじゃないですか?
大切な人であるほどに、どうにかしてあげたい気持ちが先走って、悩みを聴くという基本的なことを忘れ、解決に急いでしまいますよね。その気持ちは誰にでもあるもの。大切な人に向けられた、大切な気持ちです。
けれど、相手が求めもしないのに気持ちを押し付けるのは、やりすぎですよね。
悩み相談には、対応する順番があります。その順番を無視してアドバイスばかりを口にしては、大切な人がピンチの時にこそ頼りにされなくなってしまいます。
正しい悩み相談の順番を、3つのポイントから解説します。この順番を意識していれば、あなたが悩み相談で活躍する機会は増えていくかもしれません。
1.相槌と視線
悩みを聴く姿勢に必要なのは、相手が喋りやすい空間をつくることです。そこには、あなたの言葉は必要ないということを覚えておいてください。
相手が話しやすいというのは、話の腰を折られたり、邪魔をされたりしないということ。つまり、話を聴いている間に必要なのは、相槌と相手に向けられた視線だけで十分なんです。
「そうなんだね」
「辛いね」
「大変だったね」
「うん」
というような相槌が最適です。オウム返しや相手の目を見ることで、ちゃんと聴いているよという雰囲気を相手に効果的に伝えることができます。
相手がゆっくりと悩みを打ち明けている最中に、あなたの解説やアドバイスはまだまだ必要ありません。悩みを話している間は、じっと黙って聴くという真摯な姿勢をとりましょう。
2.評価しない
悩み相談は悩んでいる本人でさえこんがらがってくることがあります。起点がなんだったのか、理路整然と話せるということはあまり多くありません。
そんな時、物事の時系列を確認されたり、言動の良し悪しを指摘されたりすると、話す気力も信頼も消え失せてしまうものです。
悩み相談中は、悩みを吐き出しきるまで止めないことが重要です。途中で止められてしまうと、何を話したかったのかわからなくなって、最初から話さなくてはいけなくなったり、言動を評価されるという恐怖から何も言えなくなってしまったりします。
1番目と同じように、相手が気持ちを吐き出しきるまでは、黙って聴く姿勢を貫きましょう。相手が何度も同じことを言うのは、言ったことを忘れているではなく、何度も口にするほど辛い思いがあるということの現れです。何度も何度も吐き出して、ようやく相手は気持ちを消化する準備に入れます。
3.必ずしもアドバイスは必要ではない
じっと黙って聴き、相手がやっと悩みと気持ちを吐き出しきったら、さぁアドバイスの時間、とはなりません。アドバイスは、必ずしも悩み相談の返答として正解ではないんです。
悩んでいるなら解決が必要では?と思うでしょうけれど、悩み相談そのものが既に解決のための一助になっている場合は非常に多く、アドバイスは余計なひと言になってしまうこともあります。
悩みを打ち明けてくれた相手は、なぜ悩んでいるのか、何に悩んでいるのか、どうしてこんなにも苦しくなってしまったのか、それらを吐き出したことで冷静になっています。すっきりとした頭で考えることができるようになった状態ですね。こうなると、相手自身の考える力で解決策が見つかります。
あなたは話を聴いただけとなりますが、それが最も重要な悩みの解決策です。黙って真摯に話を聴いてくれる人というのは、なかなかいませんから。
ですが、本当に解決策が見出せずに困っているという相手には、押しつけがましくない程度のアドバイスを提案するタイミングです。
アドバイスをする時は、2番目にあったように、相手の言動を自分の物差しで評価してしまわないように気を付けましょう。その行為は、悩んでいる相手にとどめを刺すのに等しい行為です。
寄り添うのは相手の心に
大切な人を悩みから救い出したいという気持ちから、アドバイスをしたくなるものですが、その気持ちは時に自分勝手なものでもあります。
自分はその悩みをすでに体験し、解決した。相手を助けられる。それら気持ちの影には優越感が潜んでいます。
優越感を満たすために、大切な人の悩みを聴くわけではないのは確かですが、アドバイスするという一歩上の目線に立つという行為は、自身の優越感を満たすには十分な行為なのです。間違っても、そのような気持ちで相手の悩み相談にのって、アドバイスという言葉の刃を振りかざしてしまわないように気を付けましょう。
悩んでいる人ほど、心は脆くなっています。ほんの少し触れ方を間違えただけで、相手の心はボロボロと崩れてしまうかもしれないんです。
真に寄り添うべきは、相手の悩みではなく、悩んでいるその心に寄り添ってあげてください。否定せず、評価せず、邪魔をせずに気持ちを聴いてくれるあなたは、相手にとっては得難い友であるに違いありません。
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