『何者にもなれない苦しさ』それは思い込みが引き起こす勘違いの苦痛

2021/09/02

自分が何者にもなれないと理解した時、人は人生に絶望します。
それまでの努力は全てが無駄に思え、生まれてきたことさえも無駄だったと確信してしまう。

人は、望んだ唯一の『何者か』になれなければ、幸せにはなれないのでしょうか？

特別な何か＝何者かになりたい願望

多くの人が望んでいる理想の自分があります。お金持ち、成功者、有名人など、富と名声を掴んだサクセスストーリーの主人公です。
けれど、あなたはそんな名もなき主人公に本当になりたいのでしょうか？

色んな願望を織り交ぜて理想の自分像をつくり上げる中で、そこまで求めてもいない理想までも取りこんでしまっていませんか？それによって肥大化した理想は、そう簡単には辿り着けるものではないですよね。
大きくなりすぎた理想には辿り着けないという挫折を味わい、何者にもなれないという絶望に辿り着きます。そうして人生の全てが終わってしまったかのような錯覚をしてしまうんです。

例えば、有名人になってお金持ちになりたいという理想を持った人が、有名になる為の努力をしても、全然楽しくないし、なんだか違うと思いながらも努力を続けて突き進み、そして叶わなかったと理解した時、今までの人生が全て無駄になった、人生は終わりだと思い込んでしまいます。
けれど、本当の人生はそこからがスタートなんです。

有名人やお金持ち、成功者などのありきたりな理想像に、実は多くの人が間違った理想を追い求めています。
華々しい活躍をする人達は目を引きやすく、憧れやすいものです。その憧れが間違いというわけではありませんが、憧れの気持ちが強すぎて、自分もそうなりたいと願う。それがいくつも重なれば、途方もない理想像をつくり上げてしまいます。
これでは、確かに特別な何者かではありますが、叶わない理想にもなってしまう上に、自分の本当の願いを覆い隠してもいます。

本当のスタートは、思い描いていた高すぎる理想の多くが自分の本当の願いではなかったと気付いた瞬間から始まります。
本当にあなたが願う人生は、どんなものか？それを考えてみましょう。

本当の願望は？

あなたの本当の願望はなんでしょうか？
有名になりたいとすれば、それはどういう形で有名になりたいのでしょうか。国際的な賞を受賞する、芸術家になる、アイドルになるなど、有名になる手段はたくさんあります。
理想が漠然としていると、本当の願望から外れていきやすく、叶わぬ理想になってしまいます。

そして、一番大切なことを考えてみてください。
有名になって何をしたいのでしょう？

もし、「有名になれば幸せになれる」と思っているなら、それはただの思い込みです。有名であろうとなかろうと、幸せになるかならないかには関係がないからです。
多くの人が、理想の自分になれば幸せになれると思い込んでいますが、幸せになることと理想の自分になることは同じゴールではありません。

幸せになることが本当の願望ならば、幸せになる為に何をするかを考え直してみてください。それは有名人になることでも、成功者になることでもないはずです。

あなたは何をしている時、何を考えている時、誰といる時、幸せと感じているのでしょうか？
それを知れば、あなたが本当に叶えたい願望が見えてきます。

あなたの幸せを作るもの

何かの肩書がなければ幸せになれないと思っているなら、その間違った思い込みを正しませんか？
肩書で、人は幸せになれるものではありません。大企業の社長であろうと、ノーベル賞を受賞した研究者であろうと、大きな成功を収めたというだけで、それによって幸せになったわけではありません。
幸せは、肩書や成果とは無関係です。

あなたが好きなものは、何ですか？
あなたが楽しいと感じるものは、何ですか？
どんな場所にいたいですか？
誰と一緒にいたいですか？
あなたが心地よいと感じられる環境が、あなたが幸せと感じるものです。それがあなたの幸せをつくり上げているものです。

その中に、肩書はありません。成果もありません。
ただ、あなたが幸せと感じるかどうかだけが基準ですよね。

あなたの幸せを考えてみましょう。
心から穏やかになれる場所、人、環境。それはどんなものなんでしょうか？