退屈な作業、プレッシャーの大きい業務、責任の重い仕事など、人はストレスがかかる状況になると、その状況から「逃げ出したい」と強く思います。
それは、心の弱さ、やる気のなさ、モチベーションの低さが原因だと思いますか?
目次
脳はストレス回避の天才
ストレスを受けやすい行為ってありますよね。楽しくない単純作業が延々と続いたり、達成が困難な課題を与えられたりした時ほど、強いストレスを受けます。そうした時、脳はどんな反応をすると思いますか?
脳は、人が健全に動けるように体を制御しています。制御する範囲には、私達の心に強く影響するホルモンを分泌・抑制することもあり、脳の働きは心に大きな影響を与えていることがわかっています。
そんな脳は、ストレスを回避する天才です。少しでもストレスを受けていると知れば、脳は思考に乗せて「それは楽しくないから、こっちの楽しそうな事をやろう」と勧めてきます。
集中してやらなければならない事がある時ほど、SNSを見たり、ネットを見たりしてしまいますよね。脳はストレスさえ回避できればいいので、その結果に仕事が滞っても構いません。構うのは私達ですものね。
無駄に逃げない為の3つの方法
わかっていても、脳の働きを自覚できない私達では、脳のささやきを真正面から迎え撃つのは難しいです。ついやってしまうストレス回避行動を続けていれば、周囲からの信用はがた落ちですよね。期限を守らず、仕事の質も悪いでは、弁解のしようもありません。
けれど、この脳の働きは全員同じです。仕事ができる人もできないと思っている人も、同じように脳からストレス回避のささやきを受けています。
それならば、どうしてそのささやきから逃れられることができたのか。
結論をいうと『行動に集中した』というそれだけのことなんですが、それが意外と難しいですよね。
脳がストレス回避をしようとした時、次の3つを試してみてください。この3つの方法を順番に試していくことで、脳のストレス回避のささやきから上手に逃れ、物事に集中することがしやすくなっていきます。
この方法にはある程度の慣れが必要ですが、何度も繰り返し行っていう内に、上手になっていきます。慣れるまで頑張ってみてください。
1.事と気持ちを分ける
脳がストレス回避のささやきをしてくる時は、目の前のやるべき事が、本来はやらなくてはいけないとわかっていても、やりたくない事である場合が多いです。やりたい事をやっている時にストレスを受けることはないので、脳からのささやきもありません。
まずは、事と気持ちを分けましょう。
事とは、やるべき具体的な内容です。試験前ならばテスト勉強ですよね。どの科目の何章を暗記するなど、具体的にやるべき事をあげます。
そして、気持ちです。「やりたくない」や「勉強しないと不合格になって恥ずかしい」や「勉強が進まなかったと言い訳すれば合格できなくても仕方ないかな?」など、自分がどんな気持ちを抱えているかをあげます。
それぞれを分けてあげることができたら、次へ進みましょう。
2.気持ちを流す
前の段階で分けた『気持ち』の部分。それを、次の風景を思い浮かべながら『流して』いってください。この部分は5分間を目安に行います。もっと短くても構いません。
せせらぎの音のする川があります。
その川の流れに木の葉を乗せます。
木の葉の上には、あなたの『気持ち』を乗せ、川に流します。
川の流れは一定でなくても大丈夫です。流す気持ちがたくさんあるなら、川の流れを速くします。
この一連の流れは『気持ちを手放す』行為をイメージ化したものです。気持ちがいつまでも自分にまとわりついていると、そこから動きにくくなってしまいます。気持ちは目に見えないものなので、こうしてイメージ化して手放す行為を想像し、まとわりついた気持ちから距離をとります。
気持ちを流せたら、最後の段階に進みましょう。
3.行動に集中する
気持ちを手放す、気持ちと距離をとる。そうすると、不思議と心は安定を取り戻していることに気が付きます。最初は上手くいかないかもしれませんが、何度も行ってみてください。何度もやるとコツがつかめて、気持ちと距離をとりやすくなります。
最後は、最初にあげておいた『やるべき事』に集中して取り組む段階です。あなたを取り巻いていた気持ちの混乱は、前の段階で川に流しています。今は落ち着いてやるべき事に向かい合えるタイミングです。また脳がストレス回避のささやきを起こしてきたら、それを『川に流して』、今やるべき事に集中しましょう。
試す→繰り返す→習慣化
悩みや問題を解決する方法は、どんな方法でも試してみなければ、解決するかどうかわかりません。それと同じように、繰り返して練習しなければ、上達はありませんよね。
この方法は、ACT(アクセプタンス・コミットメント・セラピー)と呼ばれる心理療法の一部を応用しています。うつ病やパニック症といった精神疾患の治療にも有効と言われていますが、それ以外にも有効活用できる範囲が広く、自信を身につける為の方法としても今や有名です。
はじめの内こそ上手くできずにイライラすることもありますが、繰り返し行うことで必ず変化は現れます。慣れてきた頃には、習慣化ができているはずです。繰り返し、頑張ってみてください。
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