尽くせば尽くすほど関係を悪化させる?その愛情は『どこ』に向いている?

大切な人に、あなたの愛情はきちんと届けられていますか?
愛情の向ける先が異なれば、大切な人との関係を悪くさせてしまうかもしれません。

目次

愛情は『どこ』に向いている?

箱に入ったハートの写真

大切な人だから、大好きな人だから、相手のために何でもやってあげたいと思う気持ち、よくわかります。
けれど、その愛情は本当に相手に向けられたものですか?

愛とは、思慕の情であると同時に、相手を慈しみ、相手が喜ぶことをし、それに一切の見返りを求めない行動のことでもあります。
尽くすという言葉があるように、相手に尽くすこともまた愛情表現の一つですよね。

しかし、その『愛情』は相手に向けられたものなのでしょうか?
もしかしたら、それは『自分』に向けていませんか?

心理学を学んだ人ならば、思いいたるものがあるでしょう。親切にされたら、同じように親切を返したいと思う心の動きのことです。この心の動きを、返報性の原理と呼びます。
返報性は人の無意識に働きかえ、抗いがたい心の動きと言われており、誰かに親切にされたら無意識に「あの人にお礼(お返し)をしなきゃ」と行動してしまうのです。

人は無意識の心の動きにも敏感です。本能で感じ取っているのでしょう。「〜をすれば、あの人はきっと自分を愛してくれるはずだ」と考えますよね。

果たしてそれは、誰に向けた愛情だと思いますか?

相手のためになることをしていますが、本音では相手のためを思っていません。
一見すれば相手に尽くしているようですが、実際には期待した見返りが返されることを願っています。
相手のためを思ったはずの行動が、実は『自分に向けた愛情』だったと気付いてしまったら、相手はどう思うでしょうか。

よくあるケースは、夫婦関係です。
夫のために掃除が行き届いた快適な住まいを維持し、美味しい食事を用意し、着替えを用意し、何から何までやってあげる妻の行為。それはまさに、返報性を理解した行動ではないでしょうか。

もちろん、心の底から夫を家で寛がせてあげたいと思っての行動というケースもあるでしょう。しかし、それには限度があります。

シーソーが交互に傾くように、お互いがお互いを尊重し合っているからこそ、そのように相手に尽くす愛情表現は、お互いを認め合う最良の方法となるでしょう。
しかし、例えば『相手からの愛情が欲しいから』という理由で行動していたのだとしたら、それは愛情表現ではありません。

相手が自分のことをどう思っているのか、相手が自分を愛してくれるための行動は、相手への愛情表現ではなく、自分自身へ向けた愛情表現です。
「〜をすれば、頑張った分だけ愛してもらえる」そんな条件付きの愛情を欲しがっても、相手との心の距離は縮まりません。ましてや、信頼関係を結ぶこともできません。

真に相手を思い、慈しみ、相手を幸せにしようと考えるならば、「相手から自分は愛されるだろうか?」ではなく、「相手が望んでいる願いを叶えるために、自分にできることはあるだろうか?」と考えなくては、適切な愛情表現はできないでしょう。

愛情の注ぎ先を間違えてしまわないために、三つのことを意識してみましょう。
あなたの愛が、大切な人に届けられますように。

1.『こうあるべき』の関係をやめよう

「夫婦は一心同体なのだから、常に一緒にいて当たり前」
「友達なのだから、包み隠さずなんでも話して当たり前」
こんな思い込みを持っていませんか?特定の関係性に『こうあるべき』と価値観を押し付けると、対人関係は悪くなる一方です。

この思い込みを持つ人は、『良い人』であり続け、周りの期待に応えることが当然だという経験を積んでいます。さらに、関係悪化を恐れるあまりに、最良の関係を築いて維持し続けたいという強い欲求を持っています。

どんな関係性でも、幸せの形がたった一つということはありません。人によって心地よい範囲が異なるように、どういう関係を築きたいかは、お互いが少しずつ距離を積めたり離れたりを繰り返して理解していきます。
そこに自分勝手な思い込みで「〜でないと幸せになれない!」と決めつけてしまったら、相手からの信頼をも失ってしまうでしょう。

2.相手に満たしてもらおうとしない

相手に愛情を注いでいるようで、実は『自分が注いだだけの愛情は必ず返してくれるはず』という見返りを期待していませんか?その期待は、相手に見透かされていますよ。

条件付きの愛情は、誰もが苦痛に思います。どんなに凄いことをしてもらっていても、その愛情と同じだけのことを、もしくはそれ以上の愛情を返さないといけないのですから、素直に受け取ることすらもできません。

相手に大きな愛情を注ぐ人の中には、無意識に『必ず見返りがある』と思い込み、相手に尽くすケースがよくみられます。しかし、その条件付きの愛情では相手は重さしか感じられません。

確かに、愛情は注ぎ合えばお互いに満たされますが、相手が受け取ったものと同じものを返すかどうか、その選択権は相手にあり、他者である誰かがそれを指図することはできません。
相手に満たしてもらおうとすることは、相手から選択肢を奪うことを意味します。そんな押し付けがましい愛情は、受け取りたくありませんよね。

3.時には距離を置く

仲が良くなるほど、お互いの距離は縮まっていきます。信頼の土台がしっかりと築かれていれば、距離が縮むことは良い傾向です。
しかし、常に近い距離感でいるのは、少々苦しいと感じるときもあるでしょう。

人の気持ちには波があります。時には独りきりになって考えたい時もあれば、物思いに耽りたい時もあります。それら全ての時間を相手から奪って、一緒にいられる時間は最大限一緒に行動し続けたら、相手の心の中は離れたい気持ちでいっぱいになるでしょう。

自分が一緒にいたいと思う時でも、相手が独りになりたいと望むのであれば、時には距離を置くことも必要です。それがどれだけの期間となるか、それは相手の心次第です。

また、距離を置いている時に「まだか、まだか」と相手に確認してはいけません。それをすると、相手からは距離を置いているとは感じられないからです。

距離を置く際は、相手が求めない限り一切関わらないくらいでちょうど良いでしょう。少し寂しい気持ちはありますが、その気持ちまで相手に押し付けてしまわないように。他のコミュニティで気晴らしするなどして、気持ちを発散させると良いですよ。

まずは自分を愛そう

花束の写真

全ての愛情は、まず自分自身に向けてみてください。自分がどういう愛情表現をされたら嬉しいのか、どういう時にどういう愛情を注がれたら喜ぶのか、それを知らなければ大切な人に愛情表現したくても、やり方がわからないでしょう。

何よりも、自分自身が愛に飢えたままでは、愛情を注ぎようがありません。自分から溢れた愛を、自分以外の誰かに注ぐのです。

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