あなたは今の人生に満足していますか?
「どうせ多少頑張ったところで何も変わらない」、「自信が無いからできない」と思っていたら、行動できるようになる為のある心理療法を試してみませんか?
目次
『自信があれば行動できる』はウソ
よく、こんな言葉を耳にします。
「自信がないから行動できない。もっと自信が持てる自分だったら、堂々と何でもできるのに」
私も昔はそうだなと思っていました。自信がなければ堂々と立ち振る舞うことはできないし、新しい事への挑戦なんて怖すぎてできないと思っていました。
けれど、ACTという心理療法の本を読んで、その考えは大きく変わりました。
『自信なんて誰にも最初から無い。自信の為の行動を重ねていくこと、それが自信になっていく』
本でこのような一文を読んで、いくら待っても自信なんてやってこなかった本当の理由がやっとわかったと思いました。
そもそも自信って何だと思いますか?自分のスキルや技術に確かな信頼があって、堂々とそれを披露することができる状態の人でしょうか?だとしたら、自信は自分の持つ・持ちたいスキルや技術を磨き、鍛錬し、堂々と披露できる状態にならなければ、自信は持てないですよね?
今回ご紹介する『ACT(アクセプタンス・コミットメント・セラピー)』という心理療法があります。うつ病やパニック症などに効果があるとされていますが、ラス・ハリスの『自信がなくても行動すれば自信はあとからついてくる』という本をキッカケに、精神疾患以外の分野でも広く活用されるようになってきています。私はこの本を読んで、大きく考えが変わりました。
自信は待ってもやってこない。
自信を身につけたいなら、自信を持つ為の自分になる行動をし続けなければ、自信は持てない。
自信を持つことが目標か?自分を信じて生きることが目標か?
あなたの人生に、自信は必要ですか?もし必要だというなら、ACTの基本を以下にまとめました。順番にご紹介していきますので、ぜひひとつずつ試していってみてください。
あなたの人生に変化をもたらせますように。
1.自分が大切にする『価値』を決める
ACTでは、『価値』をとても重要視しています。
まず、『価値』とは何か?ですが、ACTで言う価値とは、自分の行動の指針となるもののことです。
例えば、生徒に優しくできる教師になりたいと考えた場合。
価値=生徒への優しさ、思いやり
目標=教師になる
価値と目標はとても似ている部分があり、混同してしまいやすいので気を付けてください。価値と目標を線引きすると、目標は達成したらリスト消化されるものと考えてください。そうすると、何が価値で何が目標かがはっきりと分けられます。
あなたは、人生においてどんな価値を基準として生きたいですか?
愛情の面
仕事の面
健康の面
遊びの面
これら4つの面で、どのような価値を指針に生きたいかを考えてみてください。
2.邪魔してくる思考から距離をとる
自分がどう生きたいかの価値という指針を決めても、それは進路の方向を指し示すだけで、障害を排除してくれるわけではありません。そして、障害は外部ではなくもっと身近なところに存在しています。
人が目標を掲げながらも挫折してしまう大きな原因のひとつに、諦めるというものがあります。なぜ諦めるのでしょうか?
それは、心が不快な状態を回避する為に「諦めたら?」と何度も話しかけてくるからです。
新しい事へ挑戦している時、「やっぱり私には無理かな…?」と考えたことはありませんか?それこそ、心が邪魔をしている瞬間です。
人の心は、自分に対してとても否定的です。新しい事を始めようとすれば、「本当にそれでいいの?」や「やっぱり無理だと思うよ」などと話しかけてきます。その声に従ってしまえば、諦めるのは簡単です。
心の声=思考から、距離をとりましょう。
距離の取り方は、こちらの記事【「逃げ出したい」その気持ちから離れられない原因】でも書いていますが、改めて書きます。
諦めよう、面倒だ、やりたくない、できないだろうという思考が浮かんで来たら、イメージしてください。
その言葉を木の葉の上に置いて、川に流してしまいます。木の葉はどんどん流れて、視界から消えていきます。
そうすると、思考に取りつかれた状態から距離をとれます。思考と距離をとることで、冷静な状態に戻れます。思考は何度もやってくるので、その度に川に流すイメージを行いましょう。
3.感情に居場所をつくる
行動していると、時には痛烈な恐怖の感情が襲ってくることがあります。思考とは違い、感情は強敵です。簡単に川に流れていってはくれませんし、川に流すと自分自身を否定したかのような苦い思いを味合わせてきます。
そんな感情に対しては、居場所をつくるイメージを行います。
恐怖や不安といった感情が湧き上がったら、それがどんな感情で体のどこにいるかを観察してください。
感情はあなたの一部です。あなたを否定する必要はありません。その感情を客観的に見つめる為、次のようなセリフで迎えてみてください。
「恐怖の感情がやってきた」や「恐怖している感情に気が付いた」と。
この時、「またこの嫌な恐怖の感情がきた」や「私は今、怖がっている」という否定的や主観的な迎え方はいけません。あくまでも客観的に感情を迎えてください。
感情を迎えたら、その感情の為の居場所をつくって、受け入れてください。
ゆっくりと深呼吸し、肺から空気を吐き出します。そして、息を吸い込む時に、感情の周りに少しずつスペースを広げてあげます。感情を無理やり圧縮したり、砕いたりせず、そのままで受け入れます。
感情が徐々にその居場所に落ち着いていくのがわかるようになるまで、最初は時間をかけて大丈夫です。
最後に、五感を内側から外側へと広げていきます。感情へも意識を向けたまま、自分の体の中から感覚を広げていきます。お腹、腕、指、脚、つま先へ。そして体の外側へ意識を広げていきます。周囲の音、匂い、空気、熱などを感じましょう。
4.完全集中状態で行動する
あなたが行動するのを邪魔する思考と感情への対処は以上です。となれば、最後は行動ですね。
行動には完全集中状態で行います。
完全集中状態。マインドフル。わかりやすい言語で理解していただければ十分です。他の何かに気をそらされることなく、その行動に集中することです。そうすると、スポーツ選手によくあるゾーンと呼ばれる状態に入ったのと同じ状態で行動することができます。
ここでの行動は、目標達成へ向かう行動もそうですが、その目標に向かう為にスキル・技術を磨くという準備段階の行動も含まれています。
目標へは一足飛びでは到達できません。高い目標になるほど、小さな段階がいくつも必要になってきます。そのひとつずつを行動して乗り越えていった先にこそ、目標の達成があります。
もし途中で思考や感情が湧き上がったら、前の項目の2、3を行ってください。思考も感情も止めることができないものです。そして、コントロールは果てしなく難しいものです。無理にコントロールしようとすると、コントロールしようとする行為そのものに気がそらされてしまい、本当に集中すべき行動がおろそかになってしまいます。
思考と感情は、流すと受け入れるで対応しましょう。
自信を待たずに行動しよう
心理療法ACT(アクセプタンス・コミットメント・セラピー)の基本的なやり方を書き出しましたが、実際に行う際には十分に注意していただきたい点があります。
間違ったやり方では行わないこと。誰にでも一定の効果があるわけではないこと。一度で止めてしまわないこと。この3つはとても重要です。心理療法なので即効性ではありません。何度も繰り返し行うことで、効果を現わしてくるものです。そして、その具体的なやり方は人によって少々異なることもあります。
それでも、自信を待たずに行動するには、このACTはとても役立つ方法のひとつであることは確かです。
人は経験したことのないものを恐れます。不安定な状態にいることに不快感を露にします。そして、その状態から一時的でもいいので回避しようと差し向けてきます。こうした回避行動の積み重ねが、色味の無い人生だとしたら、訓練によって行動し続けて得た未来と、どちらが自分にとって楽しい人生かを考えてみてください。
ACTでは、行動の指針を何度も思い出すこと、迷った時は「現在、将来の自分に役に立つものは?」を考えるように言っています。私達はとても揺らぎやすい生き物です。簡単に迷い、簡単に諦めます。それが一時的な快楽への回避とわかっていても、止めることは難しいです。
だからこそ、その思考と感情に流されない方法を体得してみてください。
2021年5月3日追記。
【1.自分が大切にする価値を決める】部分で、どうやって価値を決めたらいいかわからない人に向けに、価値を決める質問をご紹介します。こちらの記事を参考に、あなたの価値を決めてみてください。
【人生の『わからない』を解決するのは自分の指針だけ。行動の指針を決めれば動き出せる】
あなたの人生が一歩でも明るい未来に向かえますように。
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