生きるを楽にする。『最速最短』の思考を捨てよう

2021/09/27

何事にも、最速の時間で、最短のやり方で、無駄なく進めたいという思考を持っていませんか？
時にはその思考が強みとなる場合もありますが、生きることに辛さを感じるほどの窮屈な思考の偏りになってしまう場合もあります。

あなたは、生きることに辛さや苦しさを感じていませんか？

最速最短の思考は自分を苦しめる

あなたは、人生をどんな風に生きていますか？何事に対しても最速最短の無駄のない選択をしていたら、生きることが辛いと、面白くないと感じていないでしょうか？

一部の無駄も許さずに生きようとすると、生き辛さを強く感じてしまうようになります。それはまさに、最短ルートで最速の時間で、達成しなければ意味がないと思い込んでいるからです。
もし、人生が長い旅だとするならば、想像できるのではないでしょうか。

旅行を計画した時、まず思い浮かべるのは行きたいと思う目的地ですね。観光名所や絶景の見える景勝地など、目指すべきポイントを定めて計画を立て始めます。
行き方は何がいいでしょうか？車や電車、場所によっては徒歩かもしれません。現地でレンタサイクルを利用してもいいですね。そうやって数ある選択肢の中から、一番良さそうなものを選ぶでしょう。

この時、最速最短の思考に偏ってしまうと、こんな風に考えてしまいます。
渋滞せずに到着する時間帯、ルートはどこか？
一番安い駐車場の場所と、そこからの徒歩ルートでかかる時間はどれくらいか？
歩くくらいならレンタサイクルを借りた方が安く楽に見て回れるか？

こういう思考になってくると、『旅行を楽しむ』のではなく、どのルート・時間で動けば最短のルートで最速の時間で目的地を回り切れるか、という風に考えてしまいます。そこには、『旅行を楽しむ』という余地はありませんね。ただ目的地を回るだけです。

この思考状態では、旅行をしていても楽しめません。次々にチェックしていかなければならない目的地がある為、ゆっくりと観光を楽しむ心の余裕が持てなくなっているからです。
常に時間をチェックし、計画通りに進めることが最優先となってしまっています。同行者がのんびりしている姿を見るとイライラし、旅行を楽しむという本来の目的を忘れてしまった状態ですね。

人生にも同じことがいえます。
人は間違いを嫌いすぎることで、失敗や間違いを極端に避けようとします。それが行き過ぎると、ほんの少しの無駄が大きな失敗に思えてなりません。全てにおいて、最速の時間で最短のルートで人生を攻略できないと、全てが失敗なんだと思い込んでしまいます。

こんな思考で生きていて、辛くならないわけがありません。
あなたは、こんな思考の偏りに陥っていませんか？

過程も楽しむ意識

最速最短の思考を捨てるには、もっと広い視野を持つ意識をしてみてください。
目的地に辿り着くことだけが目標ではありませんよね。そこへ向かう過程も、楽しんでいいのです。そして、その過程で起きる全ての出来事を楽しんでいいのです。

何か不測の事態が起きたとしても、それもまた人生という旅を楽しむ出来事のひとつだと思えたら、生きることに対する辛さや息苦しさは軽減していきます。

例えば、思わぬ渋滞や自分の目の前で売り切れになってしまった行列、外出中の突然の雨など、人生は不測の事態の連続です。最速最短の思考に偏ってしまうと、こんな不測の事態は起きてはならないこととして認識しています。不測の事態が起きるということは、計画全ての失敗と捉えてしまいますが、実際には何ひとつ失敗はしていませんよね。

何が起きても楽しもうとする意識があれば、心に余裕が生まれます。
その余裕は、人生の難易度を少しだけ下げてくれるでしょう。

目的や目標を達成するだけが生きるということではありませんよね。目標に向かって集中している時ほど、そのことを忘れがちです。
過程も楽しむ意識を持ってみてください。