漠然とした不安や恐怖に、どう対処していますか?
前触れなく湧き上がる不安や恐怖を落ち着かせる方法、気持ちとの向き合い方をご紹介します。
目次
不安や恐怖は自己防衛本能
不安や恐怖を感じると、人はその刺激から離れようとしますが、それが目に見える刺激ではなく、どこからやってきたかわからなかったら、どうしますか?
理由や原因に思い当たる節がない漠然とした不安や恐怖心が湧き上がることは、実はよくあります。
過去の体験や抑圧している感情を外部から刺激されることによって、不安や恐怖が突如として湧き上がり、自己防衛するように働きかけられているのです。
しかし、本人にその自覚がないため、「突然不安になった」という感覚しかなく、対処に困ってしまう場合がほとんどです。
そんな時、不安や恐怖を感じたのが何かの間違いだと断定し、気持ちを否定して忘れようとすると、その不安や恐怖やより強まり、なかなか頭から離れてはくれません。
なぜなら、自己防衛のために湧きあがったから、問題が解決していないのに引っ込むわけにはいかないからです。
突然湧き上がる不安や恐怖を放置しては、日常生活に支障をきたす恐れがあります。
ひどい時には、「また不安になるのでは?」と不安を感じることに不安を感じるという状態に陥り、様々な心の病を引き起こしかねません。
そこで、まず自分でもできる対処法を身につけ、状態が悪化するのを防ぎましょう。
これは一時的な対処方法ですので、根本治療ではありません。あくまでも一時的な対応として、根本に何があるのかは別の日に改めて考えてみてください。
1.気持ちを受け入れる
まずは不安や恐怖の気持ちを受け入れましょう。
気持ちが突然湧いたのは、偶然ではなく何かに刺激され、湧きあがっています。原因追求や解決策よりもまず最初にやってほしいことは、気持ちを受け入れることです。
例えば、大切な人に「〜が怖い」と伝えた時に相手がすぐに解決策を提案してくれたら、どう感じますか?
すぐに行動してくれたことは嬉しいのに、どこか寂しいと感じませんか?それは、気持ちを素通りされてしまったと感じているからです。
気持ちは形がありませんが、心の中に存在しています。
まずは「怖いと感じたんだね。不安と感じたんだね」と気持ちを受け入れる声かけをしてください。言葉に出しても心の中で呟くだけでも構いません。
ただ声をかけるという行動だけで、気持ちが受け入れられたと安心できます。
この最初のステップを踏まずに先へ進むと、取り残された気持ちが後々になって大きくなって湧き上がってくるので、必ず行ってください。
2.「どうして?」質問する
不安や恐怖が刺激されたのは、何らかの原因が自分の中にあるからです。
その原因は、ちょっとやそっと意識を向けたくらいでは見えてこないことが多いのですが、無視はできませんよね。
そこで、自分自身に質問してみましょう。
「どうして不安を感じたのかな?」
「何が怖かった?」
自分を怯えさせないよう、否定しないように聞いてみてください。一つの質問では答えが見つからなくても、一つずつ答えていく内に徐々に原因が見えてくる場合があります。
もし、原因が見えたら、その場ですぐに対処せず、落ち着いて考えられる環境、適切な治療を施せる病院やカウンセリングなどで根本的な解決を目指しましょう。原因がわかったからと言って、無理にその場で解決までしようとしなくて大丈夫です。
3.明確な答えは無くてもいい
質問をいくつ続けても、何となくぼんやりとした感覚しかわからない、原因がわからないというの場合もよくあります。
そんな時は、そこまでで十分です。明確な答えを出すことが目的ではなく、どうして不安なのか?どうして怖いと感じたのか?自分の気持ちを受け入れつつ、内側にある原因に意識を向けて、漠然とした不安や恐怖を和らげることが目的です。
質問していく内に、気持ちは落ち着いていきます。そこに明確な答えが見つからなくても、原因追求や問題の根本解決はまた別の機会に試してみればいいだけです。
問題と感情を分けて対応すると楽になる
不安も恐怖も、自分を守ろうとする作用の一つです。理由も原因もわからない不安や恐怖を持つのが悪いなんてことはありません。
その気持ちを持つことで、何かから自分自身を守ろうとしています。
自分を守ること、それは正しい行動です。
けれど、漠然とした不安や恐怖心をそのままにしておくのは、ちょっと居心地が悪いですよね。放置すれば気持ちは膨らんで、あらぬ行動をとってしまう場合もあります。
ましてや、理由や原因がわからないから気持ちを否定してしまえば、自分を否定してしまい、それもまたストレスを増やしてしまいます。
まずは、不安や恐怖の気持ちを受け入れて心を落ち着かせてください。
そうしたら、どうしてその気持ちを感じたのかを自分に問いかけてみましょう。
答えが出ても出なくても構いません。その場での目的は、気持ちを落ち着かせることまでです。
心の奥底にある原因は、自問自答だけでは見えてきません。上記の対処法は、一時的なものでしかないので、苦しい状態から抜け出したい・根本を治したいと望まれる場合は、専門家によるカウンセリングを受けましょう。
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