心が強い人ほど、『完璧』になろうとはしていません。
真の心の強さは、『弱さを認める』ことなのです。
目次
心が強い人ほど『完璧』を目指していない
悩みもなく、問題が浮上してもすぐに解決できるような心の強さが欲しいと考えますか?
心が弱いと自覚する人は、「心が強い人は決して折れることや傷つくことがない」と思い込んでいますが、これは大きな間違いです。心が強いと言われる人達であっても、ひどいことを言われれば傷つくし、心が折れる時もあります。
ではなぜ、心が強いと言われるのだと思いますか?
それは、完璧なんてないと知り、完璧を目指していないからです。
完璧という状態は、魅力的ですよね。なんでも出来る、出来ないことはない。誰かから不当に傷つけられようとしても軽く交わしたり、そもそも傷ついたりすることもない。まるで神のような万能さを有しているイメージを持つのではないでしょうか。
しかし、そんな完璧さを人は手にできません。
長所があれば、その真逆にある部分は短所となるでしょう。良いところがあれば悪いところもあり、捉え方を変えるだけでそれは簡単に変わってしまうものです。
誰もがイメージする『完璧』とは、憧れの中に存在する空想でしかありません。
心が弱いと、憧れに縋ります。
心が強いと、弱い部分は必ずあるものだと理解し受け入れて、完璧でいなくてもいいと自分そのものを受け入れます。
それが大きな違いなのです。
真の心の強さとなる三つのポイントをご紹介します。
折れない強さよりも、受け入れる強さを手に入れましょう。
1.強い自分・完璧な自分でいるプライドを捨てる
人は無意識に「完璧でありたい」と望み、そうなるように行動しています。傷ひとつない完璧な状態は人を魅了し、その美しさや魅力を手に入れたいという欲求が湧き上がります。
しかし、弱いところが全くない完璧な強い自分でいようとすると、素のままの自分を認めることができなくなってしまうことが問題です。
たとえ悩みや問題があっても、完璧でありたいと願うからこそ乗り越えようと努力するでしょう。悩みや問題を乗り越えると、心は軽くなり、以前に比べて成長した自分を体感するでしょう。
そこで「あとまだ少し」と完璧を目指そうとしてしまうと、無意識に「完璧な自分でいなくてはならない」と、自分自身に突きつけていることになります。
完璧を目指し始めた瞬間から、再び自分自身を追い詰める思考になっていることに、気が付いていますか?
そのままの思考では、また同じような問題や悩みを抱えてしまうことになるのです。
人よりも強い自分、ミスや失敗なんて絶対にしない完璧な自分でいようとすること、そんな自分でいようとするプライドは、捨ててください。そのプライドを持つ限り、あなたの心は常に不安定で傷に怯えてしまいます。
2.完全な解決はほとんどない
心の問題も含めて、世の中にある悩みや問題のほとんどは完全に解決することはできません。一度傷つけば、同じような状況や出来事に遭遇すると嫌な気持ちになるし、前に踏み出しにくい気持ちが湧くように、『傷のなかった状態には戻りません』。
「もうそれは解決したから大丈夫」という状態は、もしかしたら、「前よりも傷つかなくなった」や「前よりも楽になった」というだけではありませんか?それを「解決したからもう(元通りだし)大丈夫」と思ってしまうのは危険です。
「解決したから大丈夫」と思いたいのは、まだ未解決の部分を抑圧し、隠したい気持ちの表れの可能性もあります。「もう大丈夫。何もない」と思うことで、それ以上問題と向き合うことを避けたいがために、思い込んでいるだけかもしれません。
または、「早く完璧に傷ひとつない状態に戻らなくちゃ」という気持ちを生み出してしまうことにも繋がります。
完全に完璧に悩みや問題を解決することを目指す必要はありません。完璧な解決を目指すことの方が、自分自身を追い詰めていってしまうことを覚えておいてください。
3.悩み・不安は誰にでもいつでも存在する
生きていると様々な出来事に遭遇し、嬉しいことばかりではないですよね。苦しいと感じること、悲しいと感じること、将来を不安に思う気持ちは決してゼロにはなりません。
心を強くするという本当の意味は、柳のようにしなやかさを手に入れ、傷ついても悲しんでも、再び立ち直れるようにストレスを減らしていくことにあります。
決して、全く傷ひとつつかないし、どんな攻撃にも折れることない心を手に入れることではありません。
人は生きている間に何度も傷つき、立ち直り、また同じような傷を作りながら生きています。その中で何度も抱えたり捨てたりを繰り返す痛みや苦しみももちろんあります。
何にも悩まない人はいません。
何にも不安を持たない人はいません。
そして、痛みを感じること、苦しみを感じることが弱さではありません。誰でも、様々な不安や苦しみを抱えて、それをどうにか軽減しながら生きているのです。
弱くても良い。『自分』を認めて生きよう
弱さや痛みを抱えて生きることを、受け入れませんか?
ただそれだけで、生きることが楽になります。
完璧でなければ価値がないと思っていれば、少しの弱さもあってはいけないということ。
それは、常に細い糸の上を歩くような不安と緊張を強いられるのではないでしょうか。
生きていれば、傷つくこともありますよね。痛みを感じたり、苦しさを感じたりすることもありますよね。
そうした様々な経験をして、弱い部分も傷のある部分も含めた自分自身を認めて受け入れて、以前よりも楽に生きられるようになっていくのです。
何度同じ悩みに囚われても、苦しさの中から抜け出せなくても、それらを軽くすることはできます。
まずは、完璧になろうとする気持ちを手放して、完璧にはなれない自分を受け入れることから始めてみてください。
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