ただ気持ちを伝えたいだけなのに、なぜか涙が込み上げてきて止まらなくなる。そんな経験はありませんか?
その涙は、あなたが弱い人間だからでも泣き虫だからでもありません。本当の理由と対策を学びませんか?
目次
本音で話すと涙が出る理由とは?
人との会話で本音を話さなくてはならなくなった時、胸がグッと詰まるような苦しさとともに涙が込み上げてきませんか?
そして、押さえようとしても押さえきれずに涙が溢れると、自分がどうしようもな不出来な人間になってしまったかのような感覚に陥っていませんか?
その涙は決して悪いものではありません。
涙を流したあなたが悪いわけでもありません。
その涙は、情動性の涙と言って、強いストレスから自分を守るための体の働きです。
涙には3種類あることがわかっており、それぞれ役割が異なります。
一つ目は基礎分泌。これは眼球を乾燥などから守る働きで、目から涙を流しているわけではありませんが、常に眼球を潤わせるために流れ続けています。
二つ目は刺激性。目にゴミが入った際に、異物を目の外に追い出すために流れる涙です。涙と認識しやすいのは二つ目と三つ目の涙でしょう。
最後の三つ目は情動性。これは強い感情によって流れる涙を指します。腹立たしい、悲しい、辛いなどの強い感情が引き金となって流れますが、自分でコントロールしたわけではありませんよね。
実は、情動性の涙について詳しいメカニズムはまだ解明されていないのです。しかし、一説には感情が昂るような強いストレスを受けた際に流れることから、体内のストレス物質を体外に排出して、ストレスの緩和を目的としていると考えられています。
本音を話そうとした時に、思わず涙が込み上げてくるのは、あなたが弱い人間だからではありません。泣き虫だからでもありません。人の体がそのようにできているからです。
だから、無理に止める必要はありません。無理に涙を止めようとするほど、ストレスの排出が滞ってしまいます。
けれど、本音を話すたびに涙を流していると、話している相手から「涙に訴えてくるなんて」と言われるケースも残念ながらあります。事実を知らないだけで、泣いてどうにかしようとしているとの誤解が生まれてしまうのは悲しいことです。
本音を話しても、必ずしも涙が出るとは限りません。
実は、涙を流さなくても本音を話せる方法があります。それは、心から信頼している相手です。
どうして涙を流さずに本音を話せるかというと、その人ならば安心できるとわかっているから、その人限定で本音で話すことに慣れているからなどが考えられます。
注目したい点は、『本音で話すことに慣れている』部分です。
誰が相手でも、本音で話さなければならないわけではありません。本音を言えば、相手は揚げ足取りのように傷つける言葉をぶつけてくるとわかっている場合には、あえて本音を隠した方が自衛になります。
けれど、伝えたい相手には涙を流さず、冷静に話ができれば良いですよね。
そのためには、まず『本音を話すことに慣れ』てみませんか?
1.自分の好みを本音で話す
本音を話すと涙が出る人は、人との会話のあらゆる情報をキャッチし、相手が求めている答えを選ぶ癖があります。その癖が優先されているうちは、意識しないと本音を言えないでしょう。
まず、小さな話題から本音で話せるようになっていきましょう。
例えば、食べ物の好みや好きな色など、本音で話しても差し支えない話題から、自分の本音を言えるように練習してみてください。
ただの好き嫌いですから、それで「相手から嫌われるかも?」なんて深く思い詰めるようなシーンはないでしょう。
もし、人の好き嫌いにまで難癖つけてくる人だとわかれば、そこで関係を断った方が今後のためになります。そのような人は相手を支配しようと考えているケースが多いので、その犠牲になる必要はありません。避けるべき人との付き合いは、避けましょう。
本音で話す練習をしているだけなのに、人の本性まで見抜けるなんて一石二鳥だと思いませんか?
2.信頼できる人にだけ本音で話す
親しい仲ではない人との会話では、本音で話そうとすると緊張する場合は、信頼できる人との会話で練習しましょう。
本音を話せる相手は多くはありません。けれど、数少ない信頼できる相手にでも、なかなか本音を話す機会は少ないのではないでしょうか?
特に話題は何でも構いませんが、自分の中にある不安を言葉にしてみてください。
信頼できる人だからこそ、自分一人で抱えているのが苦しい思いを聞いてもらってください。
全部を一気に話す必要はありません。話せる部分までで大丈夫です。
無理に話そうとすると、心が辛くなります。
そうなったら少し時間をおいて、別の日に改めて本音を話してみましょう。
少しずつ自分の心の奥に積み重ねた本音を話せるようになっていくと、だんだんと本音を言葉にすることが怖くなくなってきます。
3.心理カウンセラーと本音で話す
信頼できる人にでも、自分の本音を話せそうにない人は専門家を頼ってください。心理カウンセラーはそのためにいます。
心理カウンセラーとの対話では、情報がどこかに漏れる心配は皆無です。
誰にも聞かれることなく、嫌悪される不安もなく、本音を話せます。
心理カウンセラーは聴くことが仕事ですから、いつでも本音を聴く準備は整えています。どのような内容でも、どのような言葉遣いでも気兼ねすることはありません。
ただし、『話す』のはあなたの役割です。
何を聴いてほしいのか、どう聴いてほしいのか。事前に希望を伝えてくだされば、希望に応じた対応も可能です。
本音を話しても良い環境に自分を置こう
誰に対しても本音で話す必要はありません。それでは自分を傷つけようとする人にも、心を開いて話すことになってしまうリスクが生じます。
けれど、誰に対しても本音が話せなくなっては、相当なストレスを感じてしまうでしょう。
本音で話せる人を見つけてください。
そして、少しずつ本音で話せる人を増やしていってみてください。
涙が流れても良いのです。流れる涙は、あなたの心が苦しがっている証拠なのですから。
本音で話せる環境が広がれば、あなたの生きる世界が少しずつ良くなっていきます。
自分に嘘をつかなくて良い、自分の心に従って生きて良い。そんな世界で生きてみませんか?
最後までお読みいただいて、ありがとうございました。
心のケアや不調の整え方、楽に生きる方法などをご紹介しています。ぜひそちらも読んで、辛さや苦しさを手放せますように。
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