心の傷に即効性の秘薬を求めても、そのような薬も方法も現代には存在しません。
心を開き、素の自分と向き合うには、ただゆっくりと時間をかけていくのが一番の方法です。
目次
心と向き合うのに時間がかかるのはナゼ?
人はどんな時に、自分の心と向き合おうと考えるのか。
それは「自分を変えたい」「変わりたい」と思った時でしょう。
今の自分のままでは、乗り越えられない壁がある。今の自分のままでは、辛さから逃れられない。今の自分のままでは、人と良好な関係を築けない。
だから『変わりたい』と願うのですよね。
けれど、何年も何十年も今の思考・行動を繰り返してきた『自分』を変えるには、一朝一夕では叶わないことは誰もがわかっているはずです。それなのに、人は一朝一夕で叶えられる方法を探して、安易な方法に飛びついてしまっています。
自分の心を向き合うのは、「その事実を見たくない・受け入れたくない」と思った過去の自分が、心の奥底に隠し続けてきた事実と向き合う作業です。
見たくないと思ったものを目の前に突きつけられたことがある人なら、その痛みがどれほどか容易に想像がつくのではありませんか?
跳ね除けた痛みをもう一度受け止めて、受け入れて、改めて納得しなければ、自分を変えることはできません。
誤った方法で自分の心に蓋をしてしまわないためにも、心と向き合うのには時間がかかる三つの理由をご紹介します。
しかし、どれだけの時間がかかったとして、心と向き合い、素のままの自分自身を受け入れられた時こそ、本当に楽に生きる道を見出せます。
1.心の傷に即効性の秘薬はない
心のケアは、何かをしたから瞬時に傷が癒えたり、自分の内面を正確に把握できたりするものではありません。
世の中にはたくさんのやり方が情報として流れていますが、一日二日という短期間で根本から解決する方法は、残念ながら現代の心理学にはないのです。
心は、少しずつ経験を積み重ね、様々な経験から学び、意識して時には無意識に変化を遂げていくものです。自分自身でも不確かな心を、外部からのちょっとした刺激で癒せるものではないことを、改めて覚えておいてください。
2.自分と向き合うには時間がかかる
人は誰でも、隠しておきたい過去や思い出したくない過去を持っているでしょう。
けれど、その過去の出来事にこそ、乗り越えたい自分がいますよね。
辛いこと苦しいことは避けたいと思うのが人の本能です。しかし、自分を変えるにはそれと向き合う必要がありますが、一度逃げている事柄に向き合うには、途方もない勇気がいります。
勇気は、とても消耗の早いエネルギーのようなものです。勇気を出して過去の自分と向き合っても、一度に全てを受け入れるのは困難です。
何度も休み、勇気を補充し、覚悟を決めて自分と向き合う。それを何度も何度も繰り返して、ゆっくりと自分自身と向き合っていくことができるのです。
数ヶ月かかることもあれば、数年かかることもあるでしょう。けれど、焦って結果を急げば、心はもっと傷ついてしまいます。
3.原因は深いところにある
心の奥底に隠し続けてきた出来事は、想像する以上に深いところに隠されています。さらに、自分でも気付かないうちに、幾重にも防壁が張り巡らせています。
向き合いたくない出来事は、誰だって触れたくありません。だから、誰にも触れられないように、不意に外部からの刺激を受けてしまわないように、幾重にも防壁を作って守っているのです。そうすることで、そのことでこれ以上傷つかなくていいように。
しかし、その防壁は単純ではありません。複雑に他の問題や悩み、不安といった感情と結びつき、簡単には解けないようになっています。
悩みや問題は、その核の部分を見つけなければ、解決しないことがほとんどです。表層に見えている一部だけをどうこうしても、根本的な解決にはならず、どこかで複雑化した苦痛が再発するでしょう。
これと向き合うには、少しずつ防壁を取り除いていくしかありません。その作業には何日も何十日もかかるのが通常です。
自分で意識して被せた防壁は取り除くのが比較的容易ですが、無意識に張り巡らせた防壁は何が防壁なのかわからないので、取り除くのには時間がかかるでしょう。
時間はかけていい。ゆっくり『自分』を知っていこう
『自分』を知るのは、『自分を変える』ためですよね。
しかし、先を急ぐあまり『自分』を傷つけてしまえば、向き合うことが怖くなる一方です。怖いこと苦しいこと辛いことは、誰だってやりたくありません。
だから、時間をかけましょう。
ゆっくりで良いのです。誰かと比べる必要はありません。どれくらいかかるという目安は、ただの目安で目標ではないのです。
知るべき『自分』は、待ってくれていますから。
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