『いい子症候群』だった人が自分を取り戻すセルフケア

親から「手のかからない、いい子」と言われたくて自我を押さえてきた子供がいます。親の顔色を伺い、期待に応えることを基準としてきた子供は、大人になっても周りの人達にとっての『いい子』でいようとしてしまいます。

あなたは『いい子症候群』ではありませんか?

目次

 

『いい子症候群』は大人になっても続く

ぬいぐるみを持つ子供の写真

人の顔色を伺い、気持ちを察する能力が高かったがゆえに、子供の頃から親の様子を察して、いい子でいようと無意識に自分を抑えるようになってしまう子供時代を送ってきた人達は、大人になってもその『いい子』状態から脱することができず、対人関係をうまく築けないと悩みを抱えています。
あなたにも、心当たりはありますか?

親が喜んでくれることは、子供にとっては何よりも重要なことです。親が笑ってくれる、褒めてくれる、喜んでくれると嬉しくて、親の期待通りに動こうとし、その結果、自分がどうしたいかという気持ちを置き去りにしてしまいます。
そのまま成長し、大人になると、自分が何が好きなのか嫌いなのか、自分がどうしたいのかを主張することができません。自分自身が、それらを理解できていないからです。

例えば、何が食べたいか。何をしたいか。周りの人に合わせるばかりで、自分の意見がわかりません。自分視点で考えてきた経験が少ないので、どうやって考えたらいいのかがわからないんです。何を食べる、何をすると言えば周りの人達が喜んでくれるか、そんな視点でしか物事を考えられません。

そうなると、都合のいいように利用されてしまったり、自分の意見が言えない人というレッテルを貼られてしまったりして、良い対人関係を築くことができません。
その経験が積み重なっていくと、さらに自分の意見なんて考えず、周りの人達に好きになってもらうにはどうしたらいいのかという他人軸の考え方しかできない悪循環に陥ってしまいます。

こうした『いい子症候群』のまま大人になった人は、人に尽くすタイプに成長します。周りの人達に「何でもしてあげる、だから自分を好きになって」と言わんばかりに尽くし、見返りがなかったり少なかったりすると、怒りを爆発させます。

いい子だった子供の頃のように、自分がやった事に対して大袈裟に喜び、褒めてほしいという考えを持っていることで、対等な大人としての対人関係を築きづらいんです。
周りからしてみれば、何も言わずに勝手に尽くして勝手に怒り出す人にしか見えません。両者の間には、こんなにも認識の違いがあるんです。

いい子症候群は、大人になってから「自分もそうだ」と気が付く場合があります。そんな時、どうやっていい子症候群から抜け出せばいいと思いますか?
小さな頃から、人の視点でしか考えてこなかった経験上、自分というものをまだ理解できていません。どうやったら自分の意見や意思が把握できるようになるのか、二つのセルフケアをご紹介します。

 

1.その時々の自分の気持ちを探す

日々の中で、自分がどんな気持ちを抱いたのか、物事に対してどんな気持ちになったのかを深く感じ取ってみましょう。
最初は、自分の気持ちがるのかどうかすらもわからないと思います。けれど、いい子症候群の人に感情が無いわけではありません。必ず気持ちが隠れているはずです。まずは、それを探していきます。

例えば、映画や本を読んでいて、モヤっとしたりイラっとしたりしませんか?その時、自分の気持ちを探してみてください。何をどんな風に、どの程度の気持ちが芽生えたのかを。
周りの人達に向けていた意識を、自分自身に向けてください。そうしたら、少しずつ自分の気持ちがどんな形をしているのか、見えてきます。

 

2.対人関係をシミュレーションする

いい子症候群の人は、大人として対等な対人関係がうまく築けません。うまくいっているようでも、一方的に利用されるだけだったり、無意識に我慢を積み重ねてしまっていたりします。
苦手な対人関係は、事前にシミュレーションしてみましょう。

例えば、複数人で外出した時、食事をどうするかという話題では、いい子症候群の人は周りの人の意見に合わせることしかできませんでした。
自分の意見は?と考えた時、何を食べたいと言うかをシミュレーションしてみてください。

苦手な料理、好きな料理をあらかじめ決めておきます。最初はざっくりと料理のジャンルだけに絞ってみましょう。
油っぽいものが苦手であれば、中華料理や揚げ物は避けた方がいいということになりますね。よく好んで食べているものがあれば、それは好きな食べ物かもしれません。
外出先で、周りの人達に伝えられるように、言葉にして練習してみてください。伝える練習は、鏡を見て行ってみると、より効果的です。

 

3.焦らない

自分を変えようとするには時間がかかります。特に、体の成長とともに磨いていく感覚を、大人になってから磨こうとするのはとても困難です。変わりたいと思っているのに、変われない毎日を見続けるのは、相当なストレスになってしまうでしょう。

けれど、焦ることはないんです。人それぞれ成長する時期があって、速度があって、誰一人同じではありません。
いい子症候群だった人は、大人になってからが成長のタイミングだったというだけのこと。今、その成長の途中にあるんです。
一歩を踏み出して半歩戻ってきても、悪くなんてありません。誰もあなたを叱らないし、失望しません。子供のころを思い出してみてください。何度も失敗して、やっと成長してきましたよね。焦らずに、あなたのペースで自分を変えていきましょう。

 

自分を取り戻そう

ガラス玉に写る海と空の写真

大人になるまで、自分というものを意識せずに生きてきたがゆえに、大人になってから意見をどう主張したらいいのか、困ってしまいますよね。親の教育方針や家庭環境の影響もありますが、本人の気質が大きく影響している場合もあり、一概に何が原因とは言い切れません。

けれど、問題は原因を追究することよりも、これからをどう生きていくかです。過去は過ぎ去った出来事、大切なのは今をどう生きていくかです。

どんな境遇、どんな気質の人でも、自分を変えようと思えば変わることができます。その為に必要な知識を取り入れ、行動に起こして継続していけば、時間はかかったとしても変われるんです。

周りに合わせてばかりで、息苦しさを感じていたら。ほんの少しだけ自分の気持ちを深く考えてみてください。
本当は嫌なことを我慢していたり、本当はこうしたかった抑え込んでいる自分がいたりと、心の奥底に素の自分が隠れています。それを見つけ出し、表現する経験を積み重ねていきましょう。その積み重ねの先に、あなたらしさがあります。

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