人に成長してほしいと願う時、その気持ちは期待となって対人関係を悪化させる原因になります。
人に期待することで、イライラや失望を生み出す元ができてしまうと知れば、それでもあなたは人に期待を寄せますか?
目次
『期待』には人を変えたい願望が隠れている

期待とは、「こうなってほしい」という願望ですよね。
例えば、部下に仕事を教えている立場であれば、部下には目に見えるやる気や進歩、成長をしてほしいと願い、育成計画を立てますよね。その行動や気持ちが期待です。
部下の成長を期待しているのに、想像していたようなやる気や成長が部下に見られないと、大きく失望します。
教えている立場からすれば、「自分の時間を割いて仕事を教えているのだから、それなりのやる気や成長を見せてほしい。もっと成長したいとアピールしてほしい」という願いを抱えるものですが、これは『部下を思い通りに変えたい(成長させたい)』という願望です。
部下の成長は、部下自身が成長したいと願って、自分の行動を成長するように変えていくものです。そこに周りからの指示は必要ありません。もちろん、周りから期待されることでモチベーションが上がることはありますが、行動するかどうかを選ぶのは、部下自身です。
過度な成長を期待していない人でも、「自分と同じくらいにはできるだろう」と考えている人は多いのではないでしょうか。自分と同じだけの知識や経験を、部下が持つだろうと願うことも、相手を変えたいという願望に相当します。
自分の力で人を変えたい。その願望が、期待です。
けれど、この人を変えたいという願望は非常に厄介ですよね。勝手に期待を寄せておいて、期待まで到達しなければ勝手に失望して、その失望で湧いた感情を怒りにして、相手にぶつけでもすれば、両者の関係性はあっけなく崩れてしまいます。
人に期待すると、その期待が叶わなかった時に対人関係までも壊してしまうんですから。
あなたもそんな期待を持って、周りと接していませんか?もし、期待を持っているなら、次の三つの項目を読んでみてください。勝手な期待には、何のメリットもないことがわかるでしょう。
そして、期待を抜きにした対人関係を築く重要性に気が付くはずです。
1.誰だって未熟
まずは考え方そのものを見直してみてください。
人はそれぞれ個性があって、違う考えを持っているものです。それが当たり前ですよね。自分と同じ考え、同じ顔をした人間はどこにもいないのと同じです。
そこで考えるべきは、自分は完璧な人間か?ということです。
誰もが未熟で不完全です。どこか秀でていても、どこか不出来な部分があるもの。それを批判する人の方が、人間性を疑われますよね。
誰だって未熟で、そんな自分をどうにかしたいと日々思い悩んでいます。周りからそうは見えないのは、周りに悩みを見せないように隠しているからです。
そんな未熟さを、怒りに任せて怒鳴りつけてもいいものでしょうか?
あなたが怒鳴られる立場なら、怒鳴られて当然と思えますか?
人は誰でも未熟。そう思えば、勝手な期待を寄せることは、間違った選択ではないでしょうか。
2.出来る・出来ないは人によって異なる
自分にできる事なら、誰にだってできる事。この思い込みはとても危険です。この思い込みがあると、自分が簡単にできてしまった事は、他の誰でも簡単にできる事なんだと思い込んでしまうから、人に大きな期待を寄せてしまいやすいんです。
もし、相手ができなかった場合、大きな失望とイライラが押し寄せてきます。
得意不得意は人によって異なるものです。それが当たり前です。誰かは簡単にできても、自分には難しい事っていっぱいありますよね。それと同じで、自分には簡単にできても人には難しい事なんて、いくらでもあります。
それを「どうしてできない?」と疑問に思ってイライラしても、できないものができるようになりませんよね。
こういう時は、できるような仕組みをつくり出した方が簡単です。
例えば、外出時に携帯電話を持つのを忘れてしまう人は、携帯電話を家や車のカギとひとまとめにしておけば、持っていくことを忘れることはありません。施錠しなければ家を出られないし、車や自転車に乗って移動する人は、その鍵を持っていなければ外出できないからです。
こうした仕組みができれば、「ちゃんと忘れないようにチェックしなきゃ」という無駄な作業を増やすこともありません。
3.選択は本人のみ
人は本能的に、成長したいと望んで生きています。けれど、その成長のタイミングや伸びしろは人それぞれです。
周りが期待したタイミングで成長する人は、本人が「今こそ成長したい」と行動を続けてきた結果が、ちょうどそのタイミングで現れただけのことです。成長したいと望んで行動しても、すぐに結果が現れない人もたくさんいます。
成長するかしないかの選択は、本人だけが決断できることを忘れてはいけません。
誰だって成長したいと願うものでは?と疑問に思われるかもしれませんが、「今は成長しなくていい」という決断をする人もいます。そして、それは決して間違いではありません。
その人の人生を、その人が選んだというだけのことです。それが正解か間違いかを決められるのも、本人だけ。周りがとやかく言うようなことではないし、注意や指摘をしてもわだかまりが残るだけです。
仕事や家庭、様々な立場のある場で、人は自分なりに正しい道を選択しようとします。それが周りから見て「おかしい」と言われることであったとしても、本人が納得さえしていれば、その選択を覆すことはできません。
部下を成長させたいと願う上司は、部下が成長する為のカリキュラムを組んだり、課題を与えたりすることはできますが、それを受け取って成長しようと行動するかどうかは、部下が決めること。
部下が成長を望めば、結果はどうあれ、行動とやる気を上司は見ることができるでしょう。
部下が成長を望まなければ、上司の援助は空振りに終わるだけ。それの結果を上司がどう受け止め、その後にどう対応するかは上司が決めることです。そして、その判断の結果を受け止めて、その後をどうするかは部下が決めること。
水場に馬を連れていくことはできるが、水を飲ませることはできない。この格言のとおりです。
期待しない関係でいよう

過度な期待は、人にイライラをぶつける原因をつくり出してしまいます。もとから期待していなければ、そもそもイライラすることもありませんよね。
けれど、人はつい周りに期待してしまいます。期待はふとした無意識の瞬間にしてしまうものだから、期待しないでいようと意識してしまいますが、それは期待したい気持ちに蓋をしているだけで、結局はイライラしてしまうんです。
根底から考えを改めてみれば、期待という行為から距離をおくことができるようになるでしょう。それには、自分と人との問題の分離が重要になります。
人の成長を期待するのは、その人に変化してほしいという願いです。人を変えることは、できませんよね。人を変えることができるのは、その人自身が望んで行動する以外に方法はありません。
それを理解し、納得していれば、勝手に期待する気持ちは湧いてこなくなります。勝手な期待がなければ、失望もありません。対人関係にヒビを入れかねない摩擦は、生じないことになりますね。
人は人。自分は自分。その境界線を明確にしましょう。
人の人生に口出ししても、関係を悪くしてしまうだけ。
「人の人生だから」と、遠くから見守りましょう。
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