人から何かをしてもらう時、意外とそれに対して感謝することを忘れてしまいやすいのです。
その理由は、『してもらっている事に気がついていないから』と、もうひとつあります。
もうひとつの理由、何かわかりますか？
目次
感謝を忘れていませんか？
人は、自分ひとりで生きているように見えても、視界や記憶に残されていないだけで、たくさんの人達からの助力を受けて生きています。
時には「それくらい」と思う小さな事も、その小さな何かがなければ、不便したであろう出来事があったはずです。
人は、してもらった事よりもしてあげた事の方をより多く記憶してしまう生き物です。自分が行動した出来事は記憶に残りやすいということもありますが、大事なのは覚えているかどうかではありません。
誰かの見知らぬ好意を想像して、それに感謝を示しているかどうかです。
自分が誰かに優しくしてあげた出来事がひとつあるとすれば、それを受け取った人は「優しくしてもらった」という出来事として記憶されるはずですね。
けれど、人の記憶はいい加減なもので、人からしてもらった記憶は忘れていきやすいのです。
してあげた事があれば、してもらった事があるもの。これが一対一でのやり取りならば、お互いがしてあげたり、してもらったりを繰り返し、やり取りは対等であると考えられます。
しかし、記憶はその全てを思い出すことはできませんでしたね。
人からしてもらった事はすぐに忘れ、自分が人にしてあげた事だけを強く覚えています。そうすると、「自分ばっかりがしてあげて、損している」と感じてしまうのです。
そんな気持ちを抱けば、人から何かをしてもらっても、「それくらいは当然だ」と思ってしまうこともあるのではないでしょうか？
『してもらった事』は気付かないことが多い理由
覚えていない。思い出せない。たったそれだけで、自分は人から優しくされていないと感じてしまうなんて。人はとても残酷な思い違いをしてしまうものですね。
誰かに何かをしてもらっても、感謝を忘れてしまう理由は、それを『当たり前』と思ってしまうから。
『自分の方が、たくさんやってあげている』と思ってしまうから。
けれど、考えてみてください。あなたの生活、それを取り巻く環境をよく思い出してみてください。
不便が無いようにつくり上げられた環境が、どこかにありませんか？
それは、用意された温かい食事であったり、時間どおりに運行する電車だったり、安全で清潔に歩ける道路であったり。
あなたが生活するその環境、本当にあなた独りで生きているのでしょうか？
もっと簡単に想像するならば、こんな例を思い浮かべてみてください。
子供の頃は、親が食事を作ってくれますよね。食卓にはいつも温かい料理が並べられています。三食きちんと栄養を考えたメニューがバランスよく。
その料理を考え、食材を買ってきて、料理を作り、後片付けまでしてくれる親に対して、毎日食事を作ってくれる感謝を示したことはありますか？
職場や学校で、誰もが面倒がる掃除を、文句を言わずに淡々とやってくれる人はいませんか？
その人に、感謝を示したり、自分も掃除をしようとしたりしたことはありますか？
料理も掃除も、その他にもたくさんあります。誰かのお陰で、自分は楽で便利で、安全で安心できる環境にいられるのです。
そのことに感謝をしないのは、なぜか？自分の心に聞いてみてください。
誰かの好意は、無視していいものではありませんよね。
あなたの為に。とやってくれた行為を、無碍にしていいわけはありませんよね。
好意は当たり前なんかじゃない
人からの好意は当たり前ではありません。それを言葉としてはわかっていながらも、ふとした時に忘れてしまっていませんか？
混雑した電車の中で、誰かが少しだけスペースを空けてくれた。
道に迷った時に、場所を教えてくれた。
「あなたが喜ぶかと思って」と料理を作ってくれた。
それらは、あなたに向けられた優しさです。何ひとつ、やって当たり前ということはありませんね。
人は、人からしてもらった事をどうしても忘れてしまう生き物です。それはどうしようもありません。
だとしたら、覚えていなくても、その都度感謝を示しましょう。
自分が楽をできている、便利だと感じる環境を整えてくれている誰かがいます。
それは身近な誰かかもしれませんし、見知らぬ誰かかもしれません。
自分からは見えないどこか、自分が忘れてしまったであろう好意の上に、感謝を示しましょう。
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