【第七回】相手を理解するから相手から理解される。真の『win-win』にする為に必要な『相互理解』

対人関係において、相手を理解する事は何よりも大切なことです。
そして、同じように相手から理解されることもwin-winの結果を得るにはなくてはならない要素です。

自分から相手を理解するのは自分の行動によって可能となりますが、人の行動をコントロールすることはできません。
相手に自分を理解してもらうには、どうしたらいいと思いますか?

目次

 

『win-win』に必要な『相互理解』

自転車と人の写真

前回の記事で、お互いが望んだ結果を得る為には、相手の立場に立って考える必要があるとしました。それは自分だけが行っても意味はありません。相手も同じように『相手の立場に立って考え』、その上で第三の選択を見出し、選ぶことができれば、win-winな関係になれるのです。

前回の記事はこちらです。
【第六回】対人関係は『勝ち負け』が全て?『あなたも私も勝つ』のが最良

しかし、「私はあなたを理解し、win-winの結果になるよう善処するので、あなたも同じようにしてください」と主張したところで、相手からの理解は得られませんよね。
真に『相手を理解する』のは、思っているよりも険しい道のりなのかもしれません。

それを可能にする唯一の方法が、まず自分が相手を理解する姿勢を見せ、相手を真に理解することです。

お互いに歩み寄らなければ、お互いが望んだ結果を得られません。その為には、相手から行動してくれるのを待ちますか?待っていても、結果は先延ばしになるだけです。自分から行動を始めなければ、相手は動きません。

上辺だけではなく、言葉だけではなく、本当の意味で相手を理解する為には、どのような考え、行動が必要だと思いますか?
これから、それを順番にご紹介します。

一つ一つには時間がかかりますが、焦っては望んだ結果は得られません。人を理解しようとするならば、時間はかかるものだという覚悟を決めましょう。

 

1.信頼がなければ理解には至らない

まず最初に必要な要素は、信頼です。これは今までの記事でも書いたように、相手との信頼関係が築かれていることが前提となります。
信頼は貯金のように増えたり減ったりします。その残高が十分でなければ、相互理解に至ることはできません。

信頼が不足している時、相手はあなたの言葉を素直には受け取らないでしょう。それどころか、刺々しい反論を向けてきます。
信頼という土台がなければ、人は簡単に人を攻撃し、自分だけの利益を追求しようと走ってしまうのです。

信頼を増やす為の方法は、第五回、第六回の記事に詳しくご紹介しています。
【第五回】人との関わりを良くする為に
【第六回】対人関係は『勝ち負け』が全て?『あなたも私も勝つ』のが最良

 

2.相手の感情の理解・受け入れ

人は、何かしらの問題を前にすると、とにかく解決を急ごうという気持ちを優先してしまいます。問題があるのですから、解決するのは当然のことですが、解決に急ぐ前に理解を示し、受け入れる姿勢を見せなければ、問題が複雑化してしまうのは、よくあるのです。

例えば、親子の会話でこんな場面を体験したことはありませんか?
気落ちしている子供に対して、親が優しく声をかけました。「何か気になることがあるの?」と聞くと、子供は「言ってもわかってもらえないから、いい」と言います。
親は「そんなことないから、とりあえず教えて」と言い、子供は重々しく喋り出しました。
「将来の役に立つかわからない学校の勉強なんて、やる意味はない。もう学校に行きたくない」と子供が言いました。すると親は怒りを露わにし、「良い会社に入って、高い給料をもらうには、学校の勉強をしっかりしておかないとダメだ。子供だからまだわからないだろうけど、意味がなく思えても学校の勉強は大切なんだ。成績が悪いと、ダメ人間になってしまうよ」と強く言いました。
子供は悲しそうな顔で、「やっぱりわかってくれないじゃないか」と言いました。

相手の言う言葉にばかり意識を向けていると、本当に大切なことを見落としてしまいます。

人は、信頼を置いた相手に対してですらも、最初から本題を伝えようとはしません。相手が本当に自分を理解し、受け入れてくれるのかを探ってみてから、やっと本当の問題を伝えようとするものです。

先ほどの親子の会話だと、子供が本当にしたかったこと、聞きたかったことは、「学校へ行きたくない」という主張ではなかったのかもしれません。
もしかしたら、親と何かしらの会話をして、自分を見てほしいだけだったのかもしれないし、勉強が難しくなってきてしまい、その焦りから学校に行きたくないと言っていたのかもしれません。
もし、本当の問題がわかっていれば、親の対応は全く違うものになっていたでしょう。

相手を理解するには、相手の持っている感情を理解し、受け入れているという姿勢を見せなければ成立しません。

感情を理解し、受け入れるには、相手の立場に立って、何を不安に思っているか、何を問題視しているか、問題に対してどんな感情を抱いているか、その問題をどう解決してほしいと願っているかなどを想像し、そして相手にそれを確認することです。

そして、相手の立場から自分を見て、相手はどう自分を見ているかを想像し、相手に確認することで、お互いの間にある思い違いを無くし、相違点は尊重すべき利点となり、お互いが望む結果という同じ目標に向かっていく準備が整うのです。

 

3.理論的なアドバイスや意見

人との会話、特に悩み相談された時には、真っ先にアドバイスや自分の体験談からの意見を言っていませんか?その言葉は、一番最後でいいのです。

信頼と感情の理解・受け入れの無い状態では、どんなに建設的で有効なアドバイスも意見も、相手は受け入れてはくれません。なぜなら、相手にはそれを受け入れる準備ができていないからです。
悩み相談の場で、「良いことを言った。これで相手は助かる」と思っているのは、案外自分だけかもしれませんね。

感情を省いては、お互いが望む結果を得ることはできません。人は感情を持つ生き物です。
信頼の土台の上で対等に話し合いの場に着き、真っ先に相手の言い分、立場、感情を理解し、受け入れ、相手の立場に立って考え、お互いの気持ちや立場、条件などを一つずつ整理していけば、win-winの結果を見出すことができます。

 

理解されたければ理解する

白い花の写真

人は、理解されたいと強く願っています。自分の気持ち、立場、状況など、自分という全てを理解して欲しがっています。
けれど、人を完全に理解するのはとても難しいことです。それはものの数分で理解できるものでは到底ありません。

相手が話す言葉だけをうまく捉えれば、一見理解した風に装うことは可能です。けれど、それは真に相手を理解する行為とは真逆のものです。理解している風に装っているだけで、本当には何も理解できていません。

相手は、「自分を理解してくれている」と思えばこそ本音を話せます。もしそれが、本当は理解されていないのだと知ったら、その瞬間に信頼残高は急激に減っていってしまうでしょう。

不誠実な態度は、信頼を損ないます。
相手を理解する上で、わからない事をわかった風に装うのは、相手に対して不誠実です。
わからないなら、わかるように言葉を換え、何度でも話し、理解するよう努めなければ、自分も相手から理解されることはありません。

信頼の上に成り立つ関係を、築いていけるように。
真に相手を理解できるように、時間をかけてみてください。

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