ステータスに応じたそれぞれの『理想像』があります。女性として男性として、社会人として若者として、妻として夫として。ライフステージに応じた『理想像』は、果たして自分が考えたものなのでしょうか?
世間一般論の『理想像』を、昔の時代の『理想像』を、自分の理想に置いてしまっていませんか?
目次
自己肯定感を下げる『みんなの理想像』
自分がどんな自分でいたいか。人にはそれぞれ理想とする自分像があります。例えば、10年後にどのような自分になっているかを想像する時に思い浮かべる姿が、自分の理想像です。
掲げた目標に到達し、成功を収めて笑っている自分を、誰もが想像するのではないでしょうか。
けれど、現実にはそんな理想像とはかけ離れた別の『理想像』に支配されている人がたくさんいます。
その理想像とは、世間一般論の中で作り込まれた『こうあるべき』が詰め込まれた理想像です。
若者は若者らしく。子供は子供らしく。
女性は女性らしく。男性は男性らしく。
妻や夫といったステータスに応じた『あるべき姿』それが社会が作り込んだ『理想像』です。
よくわかる例が、『日本の古き良き家庭像』とされている理想像です。
妻が家の一切を取り仕切り、夫の前に出ず、夫を立て、文句のひとつもこぼさず、常に笑顔でいる家庭があり、夫は外で全力を賭して会社のために粉骨砕身の働きをし、年齢に応じて昇格と昇給をしていく。
このような家庭が理想だと、今も考えている人は少なくありません。「これは古いモデルだ」と認識していながらも、無意識にこの理想像を追い求めてしまっている人もいます。
しかし、実際にこのような家庭が現代では実現が難しく、現代を生きている人たちの理想とはかけ離れすぎていることは、誰もがぼんやりと理解はしています。
なんだか違うと思っていても、どこからともなく耳に入る情報には、「これが理想像だ」と押し付けてきます。そんな理想像を刷り込まれていく内に、人は自分の理想像を考えることもなく、世間一般の理想像が自分の理想だと置き換えてしまうのです。
重要なのは、この世間一般の理想像では、自己肯定感を下げてしまうということ。
個人よりもコミュニティ全体の運営がスムーズになるように考えられた理想像では、個人の意見は優先されません。コミュニティが円滑であることが何よりも優先されてしまいます。
そうなれば、自分の思った通りに行動することはできませんよね。自分の意見を口に出さず、周りとの協調だけを優先させてしまえば、自分を抑圧し、自己肯定感を下げていってしまう行動に拍車をかけてしまいます。
理想像を持つ前提として、「人の価値観は、人それぞれ」という当たり前の考えを忘れないでください。一般論は大多数の意見の平均であり、個人に寄り添った意見ではないのです。
「〜だから、こうあるべき」という考えは、自分の意見を我慢する選択しかさせません。自分自身で「意見を言わない」という選択をしているせいで、その殻を破るのはとても困難になってしまいます。
自分で自分を押さえつけることに慣れてしまえば、自分の意見というものを見失い、自信を失い、誰かに依存しなければ自尊心を保つこともできません。
自分に合わない理想像を、無理やり自分の理想像に置いていませんか?
あなたの『理想像』はあなたが考えたもの?
自分の理想は自分でちゃんと考えたものだと思っていても、人は外からの影響から逃れることはできません。自分の意志で決めたかのようでいて、実は影響力のある誰かの言葉だったということは少なくありません。
人の言葉や考えに影響を受けるのは悪いことではありません。自分で再考せず、鵜呑みにしてしまうのが悪いことです。
自分の理想、五年後や十年後の自分を想像する時、そこにいる自分はどのような自分でしょうか。そこまでの道のりを考えた時、自分が歩きたい道を、自分の意志で選べていますか?
世間一般の理想像の怖いところは、一見すれば最良に見えることです。だからこそ、選びやすくて逃れにくのです。
あなたには、こんな経験はありませんか?
人とは違う自分でいたい。個性を潰されたくない。と考えていたのに、社会に出て会社勤めをするようになってから、性別や年齢、立場といったものに当てはめられた最適解を演じようとしたこと。
新入社員の女性ならば、お茶汲みや雑用などを率先してやったり、男性であれば女性よりも強くあろうとしたり。
それは、あなた自身が考えた理想像なのでしょうか?
そうあろうとするのは、面倒を避ける為にかもしれません。周りが望んでいるからと自分に我慢をしいたからかもしれません。
自分の理想を考えてみよう
自分の思考は、自分が考えているほど外の影響を受けやすいものです。自分で考えついたもののようでいて、実は誰かの意見そのままを鵜呑みにしていたということは、多々あります。
あなた自身の理想像を、思い浮かべてみてください。
そこに、「〜しなければ」という固定観念は潜んでいませんか?
自分を型にはめる理想像ではありませんか?
固定観念を捨て、周りの意見を捨てて、自分が本当に望む理想像を考えてみてください。
本当に進むべき目的地(理想像)がわかれば、道に迷いながらもそこを目指していくことができます。
あなたが、あなたらしく生きる為に、自分の理想を考えてみましょう。
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