無意識に人を傷つける『アンコンシャスバイアス』

あなたの無意識に起こした言動で、誰かを傷つけているかもしれない事実を知っていますか?
人には、誰もが持っている無意識の偏見があります。その存在を知って、気付いて、対処しない限り、人は周りにいる人を傷つけ続けてしまうのです。

目次

 

無意識に人を傷つけるアンコンシャスバイアス

繋がり合う歯車のイラスト

あなたは、無意識に持った偏見で、周囲の誰かを傷つけてしまったことはありますか?

人の特定の行動の裏には、こんな考えがあるだろう。
あの人の性格は〜だから。きっと〜をするはず。

そんな偏ったものの見方のことを、アンコンシャスバイアスと呼びます。
例えば、髪を切った女性に対して「失恋した?」と言ったり、有名な地酒ある土地の出身というだけで「お酒が強い」と思い込んだりも、アンコンシャスバイアスの一つです。

人は多かれ少なかれ、自分の中にある思い込みという偏見によって物事を判断しています。しかし、無意識な偏ったものの見方だけでは、人を傷つけることはありません。その偏ったものの見方をしたことで価値観を押し付けることで、相手を傷つけてしまうのです。

無意識がゆえに、オブラートに包んだ注意では届かないのが悲しいですね。

全員が同じように偏ったものの見方をしているとは限りません。似たような価値観の中に、少しずつズレた思い込みがあり、自分の中に根付いています。

たとえアンコンシャスバイアスでなかったとしても、価値観の押し付けは迷惑行為そのものです。どれだけ正しい言い分であったとしても、それを相手に押し付けている時点でおかしいのだと気付けなければ、たくさんの人を傷つけてまわってしまうでしょう。
もしかしたら、自分の言動で話している相手を、見知らぬ誰かを傷つけているかもしれません。

言葉を発する前に、あなたの考えや価値観をもう一度見つめ直してみてください。「もしかしたら無意識に価値観を押し付けようとしていないか?」と考えて、発言を止めるだけでも、傷つける人を減らせます。

ただ、極端に発言を控える必要はありません。人は誰しも間違うものですし、一度も人を不快にさせないことは不可能です。
自分が間違ったら誠心誠意、謝る。そうやって信頼で結ばれる関係をお互いに築いていきましょう。
あなたに譲ることのできないラインがあるように、周りの人にも同じように譲れないラインがあります。そうと知っているだけで、対人関係への踏み込み方は違うのではないでしょうか。

ここでは、アンコンシャスバイアスの影響から抜け出す方法を、三つのステップでご紹介します。
あなたが誰かを不意に傷つけてしまわないように、あなたの中の無意識と向き合ってみませんか?

 

1.存在を知る

無意識に生まれ、いつの間にか自分の中に存在しているからこそ、偏見だとは思うことがないアンコンシャスバイアス。
恐ろしいのは、「この常識は世界中の常識」と思い込んでしまって疑う余地がない点にあります。

しかし、人を傷つけてしまった時に「もしかしたら、おかしい?」と疑問が浮かぶことがあるでしょう。その疑問を捨てず、無意識に偏見を持っていた自分、その思考があることを知るのが第一歩となります。
どのような考えがアンコンシャスバイアスなのか、どのようなパターンがあるのか、どのような時に引き起こされるのかなどを知って、自分の行動と照らし合わせてみてください。

例えば、次のようなアンコンシャスバイアが世の中には隠れています。

  1. 血液型の性格診断で相手の性格を想像する
  2. お酒が飲めない人は人生を損していると思う
  3. 相手の年齢・性別などで話し方を変えている
  4. 必要以上に頑張っている姿を見せない人は、やる気がないと思う
  5. お茶出しは女性の仕事、重い荷物運びは男性の仕事のように性別で決まる仕事がある
  6. 「普通は〜」「世間の常識では〜」とよく言う

自分の中に「これは常識」と疑うことなく思い込んでいる考えがあれば、まずはそれを取り出して別の視点から捉え直してみてください。
別の視点から見たその考えは、果たして『正しい』のでしょうか?

 

2.行動に気付く

アンコンシャスバイアスは、無意識のうちに行動に現れています。自分自身がいつも無意識に行っている言動を、周りから注意されただけでは、自分自身の行動を変えるには至りません。
重要なのは、人からの注意や指導ではなく、自分自身で偏見を持ったものの捉え方をしていると気付き、その言動があった瞬間に気付くことです。

やってはいけない。と誰かに言われても、自分がそう思っていない限り、人は自分自身の行動を改めることはありません。表面上をうまく取り繕っても、メッキはすぐに剥がれてしまうものです。
真に自分を変えられるのは、あなたが「変わろう」と思う気持ちです。

無意識の言動であるがゆえに、行動した直後に気付くのは困難です。しかし、後からならば振り返ってじっくりと考えてみることができます。

その日一日の自分自身の言動を振り返り、自分の中にある偏ったものの見方をしていたシーンはないか、考えてみましょう。
もし気が付いたら、その時の状況や気持ちなどをノートに書き留め、次に同じシーンになった際にはどういう行動をとるかをシミュレーションしてみてください。

そうやって少しずつ自分の行動を変え、無意識の偏見を変えていけます。

 

3.間違いに対処する

ここまでで、自分の中にあるアンコンシャスバイアスに気付き、自分の行動にアンコンシャスバイアスがあることを認知できました。
では、最後はそれに対処しましょう。

これといった唯一の対処法は、実はありません。アンコンシャスバイアスとは、無意識の偏見でしたね。誰かの模範解答を唯一絶対と思い込んだもの、それこそがアンコンシャスバイアスです。
では、どうやって適切な対処法をとればいいと思いますか?

それは、コミュニティの仲間で話し合うことです。

誰が正解、誰が間違いと評価や採点するのではなく、一つの問題や課題に対して、どう考えているか、どのような視点で捉えているか、そこから導き出した答えはどんなものなのかを発言し、その中から『最善であろう答えを全員で選ぶ』ことが、アンコンシャスバイアスの影響から離れた思考となるでしょう。

大切なことは、周りの人の意見に耳を傾け、何が本当の最善なのかを全員で考えることにあります。
少数の意見を間違いと断定することも、自分の中にない考えを否定することも、全てはアンコンシャスバイアスです。その偏見から抜け出すには、『第3の答え』を考え続けるほかありません。

自分だけが良い、相手だけが良いではない第3の答え。誰にとっても良いを探してみてください。
小さな問題だったとしても、そう簡単には見つけられないでしょう。それでも最善の答えを見つけようと考え続けなければ、決して辿り着けません。

対処法はどうやって考えればいいのか。その指針となる一つをご紹介します。
自分だけが良いわけじゃなく、相手だけが良いわけでもなく、自分も相手もみんなで良くなる『最善』を考える方法は、こちらの記事をお読みください。
【第六回】対人関係は『勝ち負け』が全て?『あなたも私も勝つ』のが最良

そう考えると、アンコンシャスバイアスは、考え続けることを放棄した結果に生まれた安直な答えなのかもしれませんね。

 

無意識も意識すれば変えられる

浜辺の写真

「無意識なのだから、変えようがない」そう思ってしまえば、全ての進化・成長は止まります。何も発展せず、何も生み出されず。今ある嫌なものは、そのまま嫌なものとして停滞し、変えることのできないものとなるでしょう。

それでは、世界は泥沼に沈んでいるようなものではないでしょうか。

嫌なものもあると受け入れるのと諦めるのは違います。
全てを諦めてしまえば、切り拓いた先にあったかもしれない変化を手に入れることはできません。

無意識は、普段から意識していない部分というだけです。ならば、意識を向ければ変えていけると思いませんか?
あなたの気持ちで、あなたの思考で、あなたの行動によって、良い方へと変えられるものがあるから。
良い方へと変えることで、あなたにもその影響が波及するから。
自分にも人にも優しくある為に、自分の無意識を変えてみてください。

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