生き辛さを作り出す他人軸の思考。実は『自分が何よりも大切』な思考

2021/12/17

他人軸な思考を持っていると、人の言いなりになってしまうということは、よく知られています。
けれど、本質は逆だということに気がついていますか？

他人軸は『人のこと・人の為』を考えていない

『他人軸』と聞くと、すぐにどんな思考なのかイメージできるのではないでしょうか。
判断の基準は本来、自分自身です。自分という核が中心にあって、価値観や思考によって物事を判断し、選択します。
他人軸な思考では、その判断基準を自分以外の外側に置いています。友人、家族、恋人、配偶者、著名人など、自分以外の誰かです。

他人軸な思考では、基準と定めた人に全ての決断を頼っています。そうすると、自分の人生なのに自分で選び、決断することはできていませんよね。基準となる人が「これが良い」と言えば、それを選び、「これはダメ」と言えば、それを排除します。
そうやって人の言いなりになってしまう為、自分の人生を生きられないという意味では、『人の言いなり』であることに間違いありません。

けれど、本質は異なることを知っていますか？

他人軸を外側から見ていると、自分よりも世の為人の為を優先して行動をしているかのように見えますね。一見すれば、自発的な善意からの行動かのようです。
しかし、その本質は『自分が何よりも大切にされ、最優先されるべき』という思いを抱いています。

自分が誰よりも大切にされたいから、その人に全力で愛情を向け、それ以上の愛情を返して欲しいと願います。
自分が何よりも最優先されたいから、その人の言う通りにし、自分の理想通りに願いを叶えて欲しいと願います。
それが他人軸の隠れた本音です。

自信の無さを埋める代用品が『他人軸』

他人軸な思考は、自分以外の人を基準に置く思考のこと。自分では何も決めず、人の顔色や人の判断力に縋ります。一見すると、『人の言いなり』であるかのような行動を取りますが、その本音の部分は『何よりも自分を大切にしたい・大切にすべき』という考えを持っていると書きました。

人に判断を任せている風でありながら、「自分はこれだけの労力をかけてあげたのだから、あなたから捧げた労力に見合う対価がなければいけない」というマイルールを、心の中で設定しているのです。
思い通りに対価をもらえなければ、相手が悪い、状況が悪い、社会が悪いと自分以外の全てに責任を押し付け、「なんて哀れなんだ」と自分を慰めます。

どうしてこんなにも周りを敵視しながら、それでも周りにあるものを自分の基準に置きたがるのだと思いますか？
それは、自分に自信が無いからです。

他人軸の思考を持つ人は、自分に自信が持てていません。だから、自信の代わりを外にあるもので代用しようとするのです。
見つけた自信の代わりに縋りつき、「私の希望を叶える魔法をかけて」と無理難題を押し付けていることに、本人は気がついていません。「信じたのだから、願いは叶えられるべき」と考えているくらいです。

自信が無く、人の言いなりになってしまいそうに思える他人軸な思考ですが、言いなりになるという対価を支払うことで、相手を自分の思い通りに動かせようとしています。

他人軸な人は、『こうじゃないといけない』という唯一絶対を求める思いがあり、自分の願いは「自分が願った理想通りに叶えてもらわなければ、願いを叶えてもらったことにならない」と考えているのです。

人の言いなりになっているようでいて、心の底では逆に相手を自分の思い通りに動かそうという本音が隠されているなんて、不思議ですよね。